
▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
妻の方が年収の高い家庭の割合は?
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均給与は男性が569万円に対して女性は316万円で、男性の方が253万円高いことが分かります。共働き夫婦でも、妻は夫の扶養内で働くなど、夫の方が年収は高いことが一般的です。
しかし女性の社会進出が進む昨今、妻が管理職に昇格するなどして、夫よりも年収が高くなるケースも考えられます。
参議院常任委員会調査室・特別調査室の「パワーカップルなど結婚にまつわる収入の格差について」では、夫と妻の所得階級別に世帯数をまとめています。資料によると、妻の所得が夫を上回る世帯は903万8000世帯中67万3800世帯と約7.5%です。
妻が店長に昇格して年収500万円になったケースで考えると、妻の所得が500万円台で夫よりも収入が高い世帯は11万7400世帯で、全体の約1.3%であることが分かります。いずれにしても、夫婦共働き世帯において、妻の方が収入の高い家庭はまだ少ないといえるでしょう。
収入の多い妻を大黒柱にするリスクは?
妻の方が収入が多くなると、妻を大黒柱にすることを考える家庭もあるでしょう。例えば夫は仕事量を減らしたり、主夫になったりして、家事に専念するようになるかもしれません。
しかし妻を大黒柱にする際は、出産・育児による収入減少のリスクがある点に注意が必要です。厚生労働省によると、育児休業給付の給付額は休業開始時の賃金の67%で、181日目以降は50%にまで下がります。
育児休暇が終わった後も、子育てのために時短勤務制度を利用したいと考えるかもしれず、労働時間に応じた収入になることが考えられます。
遺族年金についても、妻が亡くなった場合に夫が受け取れる額と、夫が亡くなった場合に妻が受け取れる額は異なる点に注意が必要です。収入が多いからと妻を大黒柱にしていると、妻が亡くなった際に夫は十分な遺族年金を受け取れず、仕事を探すのに苦労する可能性があります。
妻の収入が上がったとしても、ライフプランや万一の事態を想定したうえで、妻を大黒柱にするか否かを検討する必要があるでしょう。