22~50歳まで働いたとすると勤務年数は28年、月数にして336ヶ月になります。また、今回のケースで年収700万円のときの報酬月額は約58万3333円、標準報酬月額は59万円です。ボーナスは考慮しないため、平均標準報酬額も59万円になります。
 
これらを報酬比例部分の計算式に当てはめると「59万円×0.005481×336ヶ月」となり、老齢厚生年金額は約108万6553円です。また、日本年金機構によると、令和6年度の老齢基礎年金額は月額6万8000円、年間81万6000円になります。
 
老齢厚生年金と老齢基礎年金額を合計すると、年金額は約190万2553円です。月額で約15万8546円を受け取れます。
 

60歳まで働いたとき

退職年齢が60歳になると、勤務年数が38年、月数換算で456ヶ月になります。報酬比例部分の計算式に当てはめると「59万円×0.005481×456ヶ月」となり、老齢厚生年金額は約147万4608円です。
 
老齢基礎年金額と合計すると約229万608円となり、月額約19万884円を受け取れます。50歳で退職したときと比較すると、年間38万8055円、月額3万2338円の差です。
 
年金額だけで見ると、長く働いた方が老後の収入は多くなるでしょう。
 

早期退職のメリットとデメリットとは

貯金に余裕がある場合、早期退職をすることで家族との時間を多く取れたり、趣味に時間を費やせたりするメリットがあります。また、貯金を元手に新たなキャリアを目指すのもよいでしょう。さらに、早期退職により働くことで生じていたストレスからも解放されます。
 
一方で、早期退職をすると老後の年金額は減少する点がデメリットです。また、65歳から年金を受け取る予定の場合は、収入のない期間が長くなります。
 
そのため、想定よりも生活が苦しくなる可能性もあるでしょう。貯金を基に生活費を工面して早期退職するときは、実行する前に、年金受取開始までの10年以上を貯金だけで生活できるか試算することがおすすめです。
 

年収700万円で50歳で早期退職をすると60歳まで働いたときと比べて年金額は38万円ほど変わる場合がある