「年収700万円」ですが、ようやく貯金が1000万円に。家族との時間を作りたいので50歳で「早期退職」するか悩んでいますが、60歳で退職するときと比べて年金はいくら減るのでしょうか?
普段から仕事で忙しくて家族との時間が取れない場合、時間を確保する手段として早期退職があります。貯金をしっかりしたうえで早期退職をすれば、家族との時間も多く取れるでしょう。   しかし、早期退職は年金額が減るデメリットもあります。今回は、早期退職で年金額がいくら変わるのか、またメリットやデメリットについてご紹介します。

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早期退職をすると年金額はいくら変わる?

早期退職をすると、厚生年金保険に加入する期間が短くなり、退職期間を早めた分だけ老齢厚生年金額が少なくなります。老齢厚生年金は加入月数に応じて増加するためです。
 
老齢厚生年金額を求めるには、報酬比例部分を計算しましょう。日本年金機構によると、厚生年金保険に加入したタイミングが平成15年4月以降だった場合、計算式は「平均標準報酬額×0.005481×加入月数」です。平均標準報酬額は、標準報酬月額と標準賞与額の総額を加入月数で割って求められます。
 
そこで、今回は、以下の条件で、50歳で早期退職したときと60歳まで働いてから退職したときの年金額の差を求めましょう。
 

・年収700万円
・ボーナスは考慮しない
・厚生年金には平成15年4月以降に加入
・報酬比例部分が老齢厚生年金額とする
・年収を12ヶ月で割ったものを報酬月額とする
・勤務期間すべてで年収が同じだったとする
・国民年金は全額納めている
・老齢基礎年金額は令和6年度のものを使用
・勤務開始は22歳から
・年金の受け取りは65歳から

 
なお、今回はすべての勤務期間で年収700万円としていますが、実際には若いうちは年収が少ないケースが一般的なので、受け取れる年金額は計算したものより少なくなる可能性が高くなります。今回の計算例は、あくまでも参考としてください。
 

50歳まで働いたとき