
▼町内会費の支払いを拒否したら「今後ゴミを捨てるな」と言われた! 本当に従う必要はあるの?
自治会・町内会とは
総務省によると、自治会・町内会とは、「町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体」のことです。
おもな仕事内容としては、区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理などを行います。また、社会福祉活動、行政機関への要望、防災・防火などの活動もしています。
自治会や町内会は地域特有の活動もあるため、一概に上記のような内容だけとは限りません。また、役員になった場合はお金の管理を行ったり運営が適切か確認したり、役職によってさまざまな業務を行う必要があるようです。
町内会役員は必ずしなければならないのか
町内会役員をお願いされた場合、必ずしなければならないわけではありません。というのも、やむを得ない事情がある場合は、理由を説明すれば免除してもらえる可能性があるためです。
また、地区によっては、役員免除制度を設けている場合があります。例えば、以下のような場合は、申請すれば役員を免除してもらえる地区があります。
・世帯全員が80歳以上
・世帯全員が未成年者のみ
・長期入院
・寝たきり状態
・特別介護が必要な家族がいるとき
・乳幼児、未就学児などを抱えた母子家庭世帯
役員免除制度の有無や対象者は自治会や町内会ごとに異なりますが、ある場合は活用するとよいでしょう。
ただし、役員免除制度がないからといって、必ずしも役員を引き受けなければならないとは限りません。特に、母子家庭の場合、仕事と家事・子育ての両立で、思うように自治会や町内会の行事に参加できない可能性も考えられます。
また、町内会などの役員になって仕事を担った場合、その仕事をしている時間に収入は発生しません。そのため、今まで働いていた分の収入が減ってしまい、生活が苦しくなるリスクもあります。
実際、母子家庭の平均収入と子どもがいる世帯(家庭状況は問わない)全体の平均収入は大きく違います。厚生労働省「令和3年国民生活基礎調査」によると、子どもがいる世帯全体の平均所得金額は1世帯あたり813万5000円です。
一方で、厚生労働省旧子ども家庭局(現こども家庭庁)「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」によると、母子世帯の平均年間就労収入は236万円のため、約580万円の差があります。
また、母子世帯における子どもの中学校卒業後に高校・高等専門学校へ進学する割合が合計で92.7%のため、教育費なども必要となるでしょう。町内会役員を引き受けたことで本業ができない日が増えた場合、収入も減少してしまい、今後の生活に支障が出るおそれがあります。
このように、特別な事情がある場合などは、役員免除の制度がない自治会・町内会であっても、一度事情を説明して相談してみるとよいかもしれません。