夫は退職金制度がない会社に勤めています。今の世の中、「退職金制度」がない会社ってどのくらいあるのでしょうか?
家族が退職金のない会社に就職している場合、老後の生活や資金を不安に感じている方がいるでしょう。実際に退職金がない会社はどの程度あるのでしょうか。   そこで今回は、退職金制度がない会社の割合や、設けない理由について調べてみました。退職金制度がない場合の従業員側のメリットやデメリットについてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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退職金を設けていない会社の割合

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査概況」によると、退職金を設けていない会社は全体の約24.8%です。企業規模別の退職金制度については表1の通りです。
 
表1

企業規模/退職金制度の有無 有り 無し
30人~99人 70.1% 29.5%
100人~299人 84.7% 15.1%
300人~999人 88.8% 11.1%
1000人以上 90.1% 8.8%

出典:厚生労働省 「令和5年就労条件総合調査概況」を基に筆者作成
 
退職金制度は会社規模が大きいほど設定している割合が高く、1000人以上の規模の会社と99人以下の規模の会社では約1.3倍の差がありました。
 

会社が退職金制度を設けない理由

ここでは、会社が退職金制度を設けない理由を3つ紹介します。
 

・金銭的コストがなくなる

退職金を自社で設定する場合、会計上法人税の課税対象となります。企業年金制度や共済制度を活用すれば法人税の課税対象外にはなりますが、別途掛け金の払い込みが必要です。退職金制度を設けなければこれらの支出は生じません。
 

・運用面の人的コストや手間がかからない

退職金制度には、掛け金の計算や退職給与引当金の計上など、会計上必要な手続きがあります。そのほか、中途退職者が出た場合、退職金の計算や資金繰りの検討なども必要です。
 

・退職金の資金準備が不要