「友人が少ないことや学生時代は陰キャだったことを、夫に話したことはありました。

 だからか、『まあ、かりんには分からない世界かもね。俺みたいに友達が多くなかっただろうし、文化祭とかの行事で人前に出ることもなかったでしょ? 俺は常に人から求められてきた人生だったから、自分を大事にしてくれたヤツらを自分も大切にしたいんだよ』と言われました」

 思いがけない言葉に閉口してしまうかりんさん。しかし、大介さんの攻撃は止まりません。「ほら、そうやって機嫌が悪くなると黙るところ、学生時代からウケよくなかったと思うよ(笑)。そういうの陰キャあるあるだね~」と、追い討ちをかけるのです。

「その言葉にも傷つきましたが、私は言い返すことが苦手なので何も言えず……。これからはなるべく夫婦喧嘩はしないように気を付けて、家庭に波風を立てないようにしようと思いました」

◆クイズ番組視聴中に「生徒会長」の過去を引き合いに出す

黒板の前でポーズを決める男子中学生
 ところがその後、大介さんは些細な口論でも学生時代の話を持ち出すようになっていきました。

 かりんさんが心底うんざりしたのは、テレビのクイズ番組を一緒に見ていたときのこと。違う答えを口にしたことで、2人は軽い言い合いに。すると、大介さんは中学生時代の“栄光”を持ち出して、マウント。

「俺、中学の頃、生徒会長だったんだよ!? 友だちだけじゃなくて先生からも推薦されたんだよ。大人が推薦したくなるってことは、それだけ賢かったってことでしょ? だから俺の答えが絶対に合ってるって!」とムキになったのです。

「夫は『逆に中学の頃、かりんはどんな係だった? 誰かから推薦されたり、生徒会長になったりしたことなんてないでしょ?』と小馬鹿にもしてきました」

◆見下され続ける日々に、三行半をつきつける日も近い

 結局、そのクイズはかりんさんの答えが正解だったそう。大介さんは「ごめんな、熱くなりすぎたわ」と謝罪してきたものの、かりんさんのモヤモヤは晴れませんでした。