わが家は「17歳・12歳・8歳」の子どもが3人。2025年から「多子世帯の大学授業料が無料」と聞きましたが、全員の学費が無料になりますか? 注意が必要な「子どもの数え方」もあわせて解説
2020年度から低所得世帯の学費が免除されるなど、子どもを持つ世帯の教育費負担が軽減される政策が実現してきました。そして2025年度からは「多子世帯の大学等授業料・入学金の無償化」という、所得制限のない新たな支援制度がスタートします。   子どもを大学まで卒業させたいと願っている保護者にとっては、現行制度と新制度の概要を知ったうえで教育費用の準備を進めることが大切です。   本記事では、2020年度からすでに始まっている「高等教育の修学支援新制度」と、2025年度から始まる「多子世帯の大学等授業料・入学金の無償化」の概要を紹介します。

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2020年度から始まった「高等教育の修学支援新制度」とは

2020年度から、「高等教育の就学支援新制度」が始まりました。これは、学ぶ意欲のある子どもたちを支援するために、授業料・入学金の免除または減免、返還を要求しない給付型奨学金によって大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の学費が支援される制度です。
 
支援を受けられる金額は世帯年収に応じた4段階の基準があります。例えば、4人家族(本人(18歳)、父(会社員)、母(専業主婦)、中学生)で、本人がアパートなど自宅以外から私立大学に通学する場合の年間の支援額は以下の通りです。


・年収約270万円(第I区分、住民税非課税世帯):授業料減免70万円+給付型奨学金91万円
・年収約300万円(第II区分):授業料減免47万円+給付型奨学金61万円
・年収約380万円(第III区分):授業料減免23万円+給付型奨学金30万円
・年収約600万円(第IV区分):多子世帯支援(全額支援の1/4支援)、理工農系支援(私立学校における文系との授業料差額)(※2024年度から創設)