Aさんも気にしているデメリットや注意点は、主に以下の2つが考えられます。
 
1つ目は借り換えです。
 
変動金利で借りていても金利上昇の不安が強くなり、固定金利にしたいと考えた場合は、それぞれの借り入れ分をそれぞれ同時に借り換えなければなりません。その際、片方が収入要件を満たさない、あるいは健康状態の悪化で団信に加入できない場合は借り換えができません。
 
2つ目は離婚です。
 
住宅の売却に双方が合意した結果、完済できれば問題ありませんが、(1)売却したとしても住宅ローンを完済できない場合、(2)どちらか一方がその家に住み続ける場合、は注意が必要です。特に一方が住む、つまり残債を被るとなると、与信の問題で金融機関がOKを出すとはかぎりません。
 

本当にその額の住宅が必要なのか考えて借りる

上記のような離婚や借り換えの問題もありますが、今後はより「金利のある世界」を実感することになります。
 
特に“パワーカップル”といわれる夫婦の場合、終身雇用でなくなった現在、将来も今と同じような働き方ができるのか、転職等によって収入がどうなるのか等を含めて、本当に今の希望を優先し、少々無理をしてまで購入すべき住宅なのかをもう一度考えてみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

【関連記事】

  • 住宅ローン控除期間終了後(10年後)も一括返済・繰り上げ返済しないほうがいいワケ
  • 年収580万円での住宅ローン、どれくらいがギリギリの目安?
  • 住宅ローンを断られる3大理由は、年収と年齢と何?