マンションの価格が「高騰」して私だけでは住宅ローンが組めません。妻とペアローンを組むと借りられそうなのですが、デメリットはありますか?
ここ数年の人手不足や資材価格の上昇、景気回復や等で住宅価格は右肩上がりで上昇しています。特に都内の新築マンションに至っては、平均価格が1億円を超えている物件も多数出ており、住宅購入が厳しい時期に来ています。   多くの方は住宅購入時にローンを組んで購入ということになるでしょうが、今回のご相談者Aさんもご自身でローンを組もうとしたところ、希望物件の購入のためのローンを組むことができませんでした。   銀行からは、共働きである奥さんと一緒にペアローンを組めば希望額を融資してもらえる、といわれたそうです。メリットは銀行から聞いたのですが、何かデメリットがあるのかが心配だそうです。今回は、ペアローンのデメリットにはどのようなものがあるのか見てきます。

▼住宅ローンは「繰上げ返済」すべき? メリットについて解説

ペアローンとは?

ペアローンとは、夫婦別に住宅ローンを組んで住宅購入をする方法です。夫妻がそれぞれ住宅ローンを契約して、互いに連帯保証人になります。それぞれローンを組むので、1人は固定金利型で借り、もう1人が変動金利型で借りるといった借り方も可能です。
 
また、金融機関にもよりますが、結婚をする前であっても、融資を実行する前までに入籍をすることで借り入れが可能な場合もあります。ちなみに、ペアローン以外にも収入合算という方法もあります。それぞれの違いは、図表1のとおりです。
 
図表1

 

夫婦で住宅ローンを借りる時点での注意点は?

ペアローンは、ローンを申し込んだ際に夫も妻も審査基準を満たさなければ、利用不可となります。また、2つの契約なので、事務手数料や印紙代、抵当権設定費用等の諸費用も倍の金額がかかります。取得した住宅の持分比率は、負担した金額と同じにしなければなりません。
 
例えば、3000万円と2000万円のケースでは「3:2」となります。持分比率を1:1にしてしまうと、500万円分を贈与とみなされますので課税の対象となるので注意が必要です。
 
団信もそれぞれ加入しますので、万が一のことがあった場合、免除されるのはその本人だけで、もう一方の債務は残ってしまいます。さらに、住宅ローンの負担割合についても夫婦それぞれでローンを組むかたちになりますので、夫婦の債務の比率も途中変更は不可です。
 

夫婦で住宅ローンを借りたあとの将来的な注意点は?