これまで「扶養内パート」で働いてたけど、父の死後「200万円」のタンス預金を相続! 年収200万円を超えるので、扶養を抜ける必要があるでしょうか…?
扶養内で働いている人が突然親から大きな財産を相続した場合、扶養を抜けないといけないのでしょうか。「200万円」という大きな金額が入ってくる機会は、あまり多くないでしょうから、突然のことで不安になる人もいるかもしれません。   本記事では「年収の壁」を超えないように気を付けつつ扶養内で働いている人が大きなお金を相続した際、扶養を抜けないといけないのか、さらに年収の壁の注意点についても解説します。

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相続財産が多額であても扶養は抜けなくていい

結論として、「200万円」といった多額のタンス預金が見つかり、それを相続したとしても扶養を抜ける必要はありません。相続財産は給与所得の対象ではなく、扶養認定の際の収入とみなされないためです。
 
多額の相続財産を受け取った場合でも、支払う所得税や住民税が増えることはなく、国民健康保険等の保険料が上がる要因にはなりません。
 
相続税の申告後に新たな相続財産が見つかった場合には、改めて遺産分割協議を行った上で、必要に応じて相続税の修正申告をしましょう。修正申告をしないと申告漏れと見なされてしまい、追徴課税が行われる恐れがあります。
 

2種類の年収の壁

前項では、相続財産の金額が大きかったとしても扶養を抜ける必要がないことについて記載しましたが、ここからは年収の壁について解説していきます。年収の壁には「税金に関する壁」と「社会保険に関する壁」の2種類があります。
 

税金に関する壁

税金に関する壁は、下記の4つです。
 

1.100万円の壁:超えると住民税が課税されるようになる壁です。
 
2.103万円の壁:超えると所得税が課税されるようになる壁です。また、配偶者控除(38万円)が適用されなくなり、代わりに配偶者特別控除が適用されるようになります。
 
3.150万円の壁:超えると配偶者特別控除が満額(38万円)適用されなくなる壁です。以降は配偶者特別控除がパートタイム労働の収入によって徐々に減額されていきます。
 
4.201万円の壁:超えると配偶者特別控除の対象ではなくなる壁です。