制度改正により、より利便性が向上したiDeCoですが、実際どれほどの節税効果があるのかを計算します。
 
iDeCo公式サイトの「かんたん税制優遇シミュレーション」を利用し、年収600万円の40歳男性が「毎月2万円(年間24万円)」を拠出したとすると、「所得税」と「住民税」をあわせて「毎年およそ4万8000円」の節税効果があります。
 
iDeCoは長期的な資産運用を行う商品がメインですが、拠出した段階で節税効果があるため、NISAとは異なったメリットがあります。
 

iDeCo利用時の注意点

メリットの大きいiDeCoですが、この制度はあくまで「年金制度」であるため、60歳まで引き出せない点に注意が必要です。NISAほどは流動的な解約はできないため、余裕資金が乏しい人は無理に利用しないほうがいいでしょう。
 
また、iDeCoの受取時に課税される可能性がある点も注意が必要です。退職所得控除の適用を受けることができるため、税金の軽減効果はありますが、iDeCoの資産評価額が大きい場合などには注意が必要です。
 
なお、iDeCoには通称5年ルールというものが存在しています。これは、iDeCoの一時金を受け取ってから5年後に退職金を受け取れば、それぞれに退職所得控除が適用できるというものです。
 
しかし、同ルールは2026年1月1日から10年ルールに変更されます。iDeCoの一時金を受け取ってから10年後に退職金を受け取らないと、それぞれの退職所得控除が適用できなくなるので、注意が必要です。
 

2025年度の税制改正によりiDeCoの掛金上限額の大幅な引き上げが決定

2025年度の税制改正により、iDeCoの掛金上限額の下記変更が決まっています。

会社員(企業年金なし):月額2万3000円 → 6万2000円
会社員(企業年金あり):企業年金との合算で月額5万5000円 → 6万2000円(iDeCoの上限撤廃)
公務員:退職等年金給付との合算で月額5万5000円 → 6万2000円(iDeCoの上限撤廃)
自営業・フリーランス:国民年金基金と合算で月額6万8000円 → 7万5000円