「金価格」が5年で約3倍に高騰しているらしく、買うべきか悩みます。投資のポイントってありますか?
三菱マテリアル株式会社によると、2024年12月の金の小売価格は1グラム1万4000円台でした。2019年12月には1グラム5000円台後半だった金ですが、5年で3倍近く高騰していることになります。金市場の盛り上がりを受け、「金投資を始めてみようか」と考えている人もいるかもしれません。 そこで今回は、金高騰の背景と金投資の2つのポイントを解説します。

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金高騰の背景は?

金高騰の背景を知ることで、投資のタイミングなどを計りやすくなるでしょう。近年の金高騰には複数の理由が考えられますが、今回はその中から3つをご紹介します。
 

理由1:円安の進行

国際市場での金取引は、基本的にドル建てで行われるようです。そのため、円安が進むと国内向けの金価格が上がります。
 
例えば金1グラムあたり90ドルの場合、1ドル140円では1万2600円ですが、1ドル150円では1万3500円に上がります。
 
2024年は、一時1ドル160円台に乗るなど、歴史的な円安を記録した年でした。2025年1月に入っても、1ドル150円台後半で推移しています。
 
一方、2019年は1ドル110円前後で取引されていたようです。この5年間で円安が進行したことが、金の高騰に影響していると考えられます。
 

理由2:国際情勢の不安定化

国力に依存せず、価値が変わりにくい金は「安全資産」と呼ばれます。中東問題やロシアとウクライナの戦争などによる国際情勢の悪化により、安全資産を求める動きが加速しているようです。
 
一方、金は新規採掘が難しいとされています。供給が需要に追いつかず、価格高騰が続いていると考えられます。
 

理由3:世界的なインフレ

「インフレ」も金価格を上げる一因です。
 
インフレとは、通貨の相対的な価値が下がる現象です。近年は世界的なインフレ傾向にあるとされており、現物資産である金投資への移行が増えていると考えられます。需要増加を加速させ、金価格を押し上げているようです。
 

金投資をする際の2つのポイント