出典:内閣府「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(全体版)」より筆者作成
この結果から、年金だけで暮らすのが難しく、預貯金を取り崩しながら生活している人は全体の半数近くいる可能性があると分かります。
次に、60歳以上の方の預貯金取り崩し額の平均と割合を表3にまとめました。
表3
1万円未満 | 1.4% |
1万~2万円未満 | 12.2% |
2万~5万円未満 | 36.9% |
5万~10万円未満 | 25.0% |
10万円以上 | 15.1% |
出典:内閣府「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(全体版)」より筆者作成
多くの人が1ヶ月あたり2万~10万円ほどの貯金を取り崩している可能性があると分かります。
平均的な年金受給額と生活費
ここでは、平均的な年金受給額と生活費を紹介します。令和4年度の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)の平均月額は、約14万5000円です。また、令和5年の家計調査報告 月次結果(概要及び統計表)をみてみると、65歳以上の単身無職世帯の平均的な生活費は14万5432円です。
平均的な年金受給額と一人暮らしの年金受給者の生活費はいずれも約14万5000円と、年金だけでも生活できる可能性はあるでしょう。しかし、病気やケガ、自宅のリフォームなど、まとまった出費が必要になる場合もあります。
通常の生活費はやりくりできたとしても、急な出費に対応できないおそれがあるため、貯金を取り崩さなければならない場合もあるでしょう。年金だけでやりくりするのは現実的に難しいと考え、十分な貯蓄を用意しておいたり、定年後も働き続けたりするなど、年金以外の資産や収入を確保しておくことをおすすめします。