「もし株を買うならどんな株を買うか」という問いがあったなら、多くの人が「これから上がる株を買う」と答えるだろう。

多くの投資家は、配当や株主優待以上に株価の値上がりによる利益を得ようとして虎の子の資金を投入するはずである。

ただ、どのタイミングで株を買えば良いかをわかっていない人は意外と多いもので、中には安くなっている(株価が下がっている)株をお買い得だと勘違いして買ってしまう人もいる。実際には株価が下がっている株を買うのはお買い得とは言えず、損失拡大への入り口であることもしばしばあるのが実情だ。

ここでは下がっている株を買う逆張り投資の危険性について解説していきたい。

株の投資の仕方 大きく分けるとこの2つ

値上がりする株を狙って株を買う場合には、大別すると以下の2つの方法がある。

  1. 上昇している株がこれからもあがると考えて投資する(順張り投資)
  2. 下落している株が今後は上がり始めると考えて投資する(逆張り投資) 順張り投資は、業績が好調かつ魅力ある事業内容で株価も右肩あがりの銘柄を選んで投資するわけで、特に株の初心者にとっては入りやすい投資の方法だと言える。

    一方逆張り投資は、業績不調や事業が飽和状態にあるなどなんらかの理由があって株価が下げ続けている銘柄が、今後は株価が反転して上げ始めると考えて投資をするもので、こちらはやや玄人向けの方法だといえる。

    こればかりは投資家の好みの問題でもあるのだが、株価が安くなっているように見える逆張りには個人投資家をひきつける魅力があるようだ。

    順張りにはない逆張り投資の魅力

    逆張り投資は下げていた分の値幅とその後の上昇の値幅を合計した分の利益を狙えるという点では非常に魅力的な投資の方法だ。

    その点では、上昇途中の株を買ってその後さらに株価が上がったところで株を売る順張りは逆張りに比べると利益の幅が少なくなってしまうのも無理はない。

    特に大きく値上がりしている株を買う際には、いつ下げが始まるかはわからないので、ある程度利益が出たタイミングで株を手放す決意をすることも大事になる。その点、底で株を拾ったという確信があれば、その後は悠々自適に株を持っていられるのも逆張り投資の魅力である。

    しかし、実際に下がる株を大底で拾うのは難しいテクニックを必要とするものなのだ。