お金は大事。でも、きっと愛のほうがもっと大事……?
では、愛があれば、お金にまつわるどんな困難も乗り越えられるのでしょうか?
お金の専門家であるファイナンシャル・プランナー(FP)は、いつも私たちにお金の大切さについて教えてくれますが、そんなFPたちだからこそ、愛とお金にまつわる数々のエピソードを見てきています。
今回は、10人の女性FPに直球勝負を挑みました。
「お金と愛、ぶっちゃけどっちが大事ですか?」
さて、どんな答えが返ってくるのでしょうか。
※2017年10月に、独立系ファイナンシャル・プランナー(独立系FP、企業のバックアップを受けずに相談料で収入を得るFPのこと)10人にアンケートを実施しました。その結果内容を順次、掲載しています(カッコ内=投票したFPの名前/年代)。
「愛が大事派」の意見
アンケートの結果、10人中9人が「愛が大事」に票を投じました。お金よりも愛が大事というFPの意見を詳しく見ていきましょう。
「家族への愛」はお金に変えられない
「愛にもいろいろありますが、『家族の愛』はお金に変えられないと思います。自分の居場所や必要としてくれる人がいれば、お金に余裕がなくても生きていけると思います」(黒須かおり/40代)
恋愛としての愛ではなく、家族の愛がいかに尊いかをおしえてくれたご意見です。家族の愛がなければ、自分の存在意義さえも危うくなってしまう。筆者も個人的に非常に共感します。
条件つきで愛が大事
「もちろん愛があってお金があればいいですが」とことわったうえで、愛が大事と言うFPさんも。
「愛は、働くこと、節約することの原動力になると思っています。愛がなければお金を使うことへの楽しみが見いだせません。食事も旅行も、愛する友達や家族がいるから楽しいものだと思っています」(今関倫子/40代)
もちろん、愛とお金どちらもあってほしい。でも、愛がなくお金だけあっても意味がないということでしょう。お金の大切さを知っているFPだからこそ、愛の素晴らしさについても分かる。それはその通りだろうという気がします。
次も「愛があればお金に苦労するような人でも構わないというわけではない」と前提があったうえで、
「お金を得る方法は世の中に無限にあります。なので、経済的な理由で男性を選んで結婚するのはナンセンスだと思います。結婚後に経済状況が変わる可能性もありますし」(匿名/30代)
というご意見も。お金を手にいれる方法なら、いくらでも代替手段があるけれども、愛する人は誰でもいいというわけにはいかない、ということですね。お金を基準に相手を選ぶべきではないという考え方ですね。
愛はお金を生み出す原動力
また、夫婦の愛についてはこんなご意見もありました。
「人生いろいろな出来事があるので、お互いを思いやる気持ちがないと長くは続きません。お金が足りないなら共働きすればいいだけのこと。その場合は、家事分担が必須になりますが」(つじもとFP事務所 辻本ゆか/40代)
実にリアルです。これなら誰もが納得するのではないでしょうか。そして、これをさらに上回って現実を直視したご意見がこちら。
「結婚を前提とするならば、お金はなくても愛さえあれば夫婦関係は生涯成立しますが、愛のない夫婦関係は、お金があってもいずれ成立しなくなります」(婚活FP山本/30代)
そしてその愛情は、実はそのままお金に直結するということなのですが……
「愛さえあれば離婚することなく、子どもも1人程度なら育てられますし、老後は2人分の年金で乗り切れます。しかし今どきは、愛がなければいずれ離婚となるのが現実。単身では、年収にかかわらず多くの場合で、老後を乗り切ることができません。実益で考えても、やはり愛情に勝るものはありません」(婚活FP山本/同上)
愛が大事と言いながら、ロマンティックな感情からではなく将来を見通したご意見。お金のプロであるFPらしい考え方ですね。
愛があるからお金もついてくる
愛があれば、お金があとからついてくる、という意見もありました。
「お金を手に入れている人は、結局のところ愛情を持っていて、人を大事に思っている人。人に感謝でき、人のために一生懸命にもなれます。その結果、いい仕事に巡り合えたり、紹介してもらえたり。愛がお金に変わっているわけですから、愛のほうが大事です」(阿部理恵/50代)
「愛があるからこそ、お互いの生活を大切にしようとする行動につながるのだと思います。そして、お互いを大切にするためにはお金が必要。その順番だと思います」(寺野裕子/40代)
「お金があっても愛がなければ、結婚は成り立ちません。お金で愛は買えませんし、愛があれば一緒にがんばっていけると思います。愛し合って一緒に幸せになれる方法を考えていけたらいいですね」(稲村優貴子/40代)
人生にはどちらも必要で大切ですが、順番的には愛が1番で、お金が2番という考え方ですね。