退職後も働くことができれば不安は軽減できる

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老後に経済的不安を感じるなら、年金の増額以外に継続して働き定年後の収入を増やすという方法があります。

高齢者向けの雇用支援を活用

高年齢者雇用安定法では、本人が希望する場合に再就職の援助に努める必要があると定めています。また、企業には65歳以降も意欲と能力に応じて働き続けられる制度の導入や、高年齢者が働きやすい職場環境づくりの実施が望まれています。

2021年4月からは、改正された「高年齢者雇用安定法」が施行されます。この改正によって、事業主は65歳までの雇用確保が義務づけられ、65歳から70歳までの就業機会を確保する努力を講じる必要(努力義務)があります。こうした制度を利用してもいいでしょう(定年を70歳に引き上げることを義務づけるものではありません)。

60代をはじめとするシニア層をターゲットとした求人を探せる会社や、定年後のセカンドキャリアに関する情報の提供を行う「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」もあります。活用すると定年後の職探しに便利でしょう。

効率よく貯蓄できれば働けなくなっても安心

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継続雇用制度で働けても定年前より給与が減ったり、不慮の病気などで働けなくなったりすることもあります。定年後のお金や生活にゆとりを持たせるなら、貯蓄をしておくことも大切です。

リスクを負わず確実に貯めるなら定期預金

投資のようなリスクをともなわない方法を希望する場合は、定期預金がよいでしょう。利率が満期まで変わらない定期預金なら、景気にも左右されず確実に貯蓄できます。1ヵ月の預金額を指定して、自動的に積み立てられる定期預金なら、ペースを崩さずしっかりとお金を貯められるでしょう。

円より金利がいい傾向の外貨預金

外貨預金とは、ドルやユーロといった外国の通貨建てで行う預金方法です。主要国の金利は、超低金利が続く日本よりも高めになっている場合が多く、外貨なら円よりも比較的高い金利での運用が期待できます。

また、外貨預金は円高や円安など為替相場の影響を受けます。そのため、円高のときに外貨を購入して預金し、円安のときに外貨を円に換えることで、為替差益を得ることができます。また、資産を円のみではなく外貨にも分割しておくと、インフレリスクの回避にもつながります。

預け入れや引き出しに手数料がかかることや元本割れのリスクなど注意点もありますが、定年後に備えるお金を運用手段として検討してみましょう。

NISAなら少額から始めやすい

NISAは個人投資家向けの少額投資非課税制度です。NISA口座(非課税口座)で、一定額の範囲で購入した金融商品から得る利益が非課税になる税制優遇制度で、毎年決まった額の投資枠があります。

通常のNISAでは非課税の期間が最長5年で年間の投資枠が120万円、つみたてNISAは期間20年、年間の投資枠は40万円が上限です。

特につみたてNISAは、購入可能な商品が一定の投資信託に限られます。毎月一定額の投資を続けることで、金融商品の購入時期などが分散され、安定した資産運用が期待されます。そのため、投資を行ったことのない人でも始めやすいことが特徴となっています。

定年後のお金は退職前に確保しよう

定年後のお金は、公的年金などに頼ることが多くなるため、前もって計画的に確保することが肝心です。就業中であれば、勤務先の継続雇用制度などが活用できるか確認しておきましょう。また、働けなくなった場合も考えて、定年前から預金方法の見直しや投資も検討しておくと安心です。

提供・UpU

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