「指定有料ゴミ袋」の導入を始めとした「生活系ごみの有料化」を実施する自治体が増えている背景には、一般廃棄物の排出抑制や再生利用の促進があります。
環境省は「一般廃棄物処理有料化の手引き」のなかで、有料化の目的および期待する効果について「一般廃棄物処理を有料化することにより、費用負担を軽減しようとするインセンティブ(動機付け)が生まれ、一般廃棄物の排出量の抑制が期待できる」と述べており、排出抑制が実現できれば処理施設の規模縮小や延命化を図ることを目標としています。
その他にも、費用負担の公平性確保や住民・事業者の意識改革、リサイクルの促進や二酸化炭素排出量の低減によって、脱炭素社会の実現も期待されています。
ゴミ袋の負担は年間いくらくらい?
このようにメリットの大きい「生活系ごみの有料化」ですが、私たちにとって気になるのが有料化に伴う負担増です。実際に「指定有料ゴミ袋」が導入された場合、年間いくらくらいの負担になるのでしょうか。
例えば、平成18年に指定有料ゴミ袋を導入した京都市が平成24年に実施した市民アンケート調査によると、1ヶ月あたりの平均的なゴミ袋の使用枚数は表2のような結果となりました。
表2
45リットル | 30リットル | 20リットル | 10リットル | 5リットル | |
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燃やすごみ | 1.7枚 | 2.2枚 | 2.0枚 | 1.3枚 | 0.3枚 |
缶・びん・ ペットボトル |
0.4枚 | 0.7枚 | 0.8枚 | 0.4枚 | - |
プラスチック製 容器包装 |
0.5枚 | 0.9枚 | 1.1枚 | 0.3枚 | - |
出典:京都市「ごみ袋の使用状況等に関する市民アンケート調査結果」を基に筆者作成
一方で、京都市の指定有料ゴミ袋1枚あたりの価格は令和7年1月23日現在、表3のとおりです。
表3
45リットル | 30リットル | 20リットル | 10リットル | 5リットル | |
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燃やすごみ | 45円 | 30円 | 20円 | 10円 | 5円 |
資源ごみ | 22円 | 15円 | 10円 | 5円 | - |