「インフルエンザといえば中外製薬」

株式市場ではインフルエンザが流行するたびに、中外製薬が物色される傾向がある。多くの投資家にとって「インフルエンザといえば中外製薬」との連想が働きやすいようだ。

実際、中外製薬の株価はインフルエンザが猛威を振るい始めた今年1月26日に6080円と過去最高値を更新している。2017年の株価上昇率を見ても中外製薬は72.0%高と東証医薬品セクターの11.3%高を大きくアウトパフォームし、同セクターの中でトップクラスのパフォーマンスを示している。 これもインフルエンザによる「連想効果」によるところが大きいと考えられる。

もちろん、先に述べたように中外製薬の「業績全体」に占めるタミフルの比率はそれほど大きいわけではない。しかし、タミフルはもちろん、同社の主力の抗がん剤アレセンサのロシュ向け輸出も順調に伸びており、業績全体を後押ししている。

具体的に中外製薬の「業績全体」を見てみよう。2017年12月期の決算によると、売上は8.1%増の5341億円、営業利益は28.7%増の989億円でいずれも過去最高を更新している。2018年の会社予想についても売上は1.4%増の5414億円、営業利益9.2%増の1080億円が見込まれているのだ。さらにアナリストのコンセンサス予想では、足下の好調もあって売上5600億円、営業利益1177億円程度となっている。

新薬「ゾフルーザ」の登場が意味するものは?

医薬品の技術は日々進化している。最近では塩野義製薬 <4507> のインフルエンザ治療薬の新薬「ゾフルーザ」が厚生労働省に承認された。注目されるのは、タミフルが5日間服用が必要なのに対し、ゾフルーザは1回の服用で治療でき患者の負担を軽減できることだ。

連想は十人十色と申します……冒頭で紹介した『連想ゲーム』の司会者の言葉があらためて想い起こされる。株式投資の連想も十人十色、果たして「インフルエンザといえば中外製薬」との連想は今後大きく変わることになるのだろうか。日々進化する医薬品セクターの動向から目が離せない。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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