(本記事は、荻野淳也氏の著書『心のざわざわ・イライラを消す がんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』、文響社、2018年7月2日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
※以下、書籍より抜粋
手に感謝しながらハンドクリームを塗る
ハンドクリームを塗りながら手を見る。
当たり前の手の感覚に、意識を向ける。
生活の中で一番初めに感覚が伝わることの多い、自分の手。
でも手そのものに注目し、労わる瞬間はあまりないものです。
普段ハンドクリームを使っている人は、クリームを塗るとき、何かをしながら塗るのではなく、自分の手の感覚に集中してみましょう。
クリームに触れる感覚から、馴染んでいく温度感。
指一本一本、関節ひとつひとつへと丁寧に広げていきながら、今この瞬間の目の前にある手に、「いつもがんばってくれてありがとう」と、感謝を向けていきます。
私がご紹介しているマインドフルネスのワークに「手を3分間観察する」というワークがあります。
試しに少しの間、手の平を観察してみると、シワの細かさや、ドクドクと脈打つ感覚、ほんのりと温かさを感じるなど、意外とたくさんの気づきがあります。
「手を観察する」ことはこの本を閉じたら忘れてしまいそうですが、ハンドクリームを塗るタイミングで手に集中することならできそうではないでしょうか。
利き手と反対の手で歯を磨く
からだの使わない部分を使ってみる。
不自由だからこそ、気づく感覚がある。
利き手と逆の手で日常の動作をしてみると、不自由さを始め、いろんな身体感覚に気づきます。
たとえば右利きの人は、試しに左手で歯を磨いてみてください。
もっと簡単なところでは、パソコンのマウスを使う手を逆にしてみてもいいでしょう。
違和感を感じて初めて気づくからだの感覚があります。
人間のからだは、左右バランスは均一なのが良いとされていますが、利き手と逆の手や動かさない部位は、どんどん思い通りに動かなくなり、脳の神経も鈍っていきます。
しかし、脳の神経には可塑性という性質があり、使えば使うほど変化、成長し、活性化することがわかっています。
利き手と逆の手を使う、足の5本の指を動かしてみるなど、普段使わない部分を積極的に動かして、目覚める新たな身体感覚を楽しんでみましょう。