キャスト不在でも『フレンズ』要素は満載
しかしマシュー・ペリーにとって『フレンズ』はまぎれもなく彼の代表作であり、いわば彼の「生きた証」ともいえる作品だ。当然、番組には『フレンズ』の映像や関係者の証言が数多く登場する。
The Hollywood Reporterによると、たとえば、マシューの体重が『フレンズ』のシーズンごとに大きく変化していたことを取り上げ、彼の依存症との戦いがどれほど深刻だったかを映像を通して示すセグメントがあるという。
また、番組では、マシューの母親役を演じたモーガン・フェアチャイルドがインタビューに応じ、次のように語っている。
「過去にアルコール依存の友人を助けた経験があったため、ペリーにも声をかけようとした」
彼の死に至るまでの過程を考察する中で、『フレンズ』が彼の人生にどれほど大きな影響を与えたのか、そして同時に彼にとって名声がどれほどの重荷だったのか、この番組はそういった点にリアルに迫る内容のようだ。
さらに『フレンズ』は世界的に愛される作品であり、マシュー・ペリー演じるチャンドラー・ビングは多くのファンにとって特別な存在だった。ドキュメンタリーの最後では、ファンが彼の死を悼む様子が映し出され、ジャーナリストたちは「彼は永遠に『フレンズ』の友人であり続ける」と語る。
マシュー・ペリーの成功と孤独、そしてその先にあった悲劇を振り返るこのドキュメンタリーは、彼の人生を知るうえで貴重な作品だと言えるだろう。