契約社員は正社員と比べて、ボーナスや退職金などが整っていないことが多いものです。一方、2020年から「同一労働同一賃金」の制度が導入された影響もあり、今後は契約社員にボーナスを支給する会社が増えるのではないかとも期待されています。そこでボーナスを活用して、自分で退職金や年金の準備をする方法を解説します。

NISA・つみたてNISAで退職金を準備してみる

(画像提供:yusei/stock.adobe.com)

政府が主導して行っている「働き方改革」にともない、「同一労働同一賃金」の制度が導入されました。雇用形態の違いによる、待遇の差は今後改善されていくことが予想されます。

ただ、一律で各企業が変わっていくとは限りません。政府の方針に会社の体制が追いつかず、退職金が出ないケースも十分に考えられます。そうしたことに備え、自分で退職金の準備を行ってみてはいかがでしょうか。

2014年と2018年にスタートした、NISA・つみたてNISAは、自分の手で退職金を積み立ていくのにぴったりの制度だと言えるでしょう。

NISA・つみたてNISAは個人投資家のための制度

「投資は、まとまった手元資金がないと始められない」と考えている人は多いかもしれません。ところが、NISA・つみたてNISAでそういった状況は変わりつつあります。

NISAとは、2014年にスタートした個人投資家のための税制優遇制度です。通常、株式や投資信託などの金融商品に投資し売却して得た利益や受け取った配当に対しては約20%の税金がかかります。

ところが、NISAやつみたてNISAでは、一定の非課税投資枠の中で得た利益には税金がかからないのが特徴です。NISAは年間120万円まで、つみたてNISAは年間40万円までの非課税投資枠が設けられています。

NISAは非課税で投資できる期間が5年間であるのに対して、2018年にスタートしたつみたてNISAは、NISAよりも投資枠は少額ですが非課税期間は20年間。取り扱い金融機関によっては100円から買い付けが可能です。

少額で始められる長期・積立・分散投資を支援するための制度であるつみたてNISAなら、無理のない範囲でじっくり退職金を準備したい人に向いていると言えるでしょう。

NISA・つみたてNISAの注意点

ただし、NISAとつみたてNISAはどちらか一方しか選べない点に注意してください。また、新規での投資が対象で、現在保有している株式や投資信託をNISA口座に移すことはできない点にも留意しておきましょう。

iDeCoで年金を準備してみる

(画像提供:tamayura39/stock.adobe.com)

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、私的年金の制度です。私たちには20歳になると、公的年金制である国民年金に加入し保険料を払う義務があります。しかし、国民年金の本質は保険料という名のとおり、あくまでも長生きしたときのための保険です。

年金は国が国民の将来のために貯めておいてくれるものではなく、現役世代が現在の高齢者に仕送りする賦課方式が採用されています。

年金は現役世代から集めた保険料収入と税金などを加えて支給されていますが、これは現役世代の人口割合が多く、平均寿命が65歳だった時代に成立したモデルです。2019年の簡易生命表によると、現在、男性の平均寿命は81.41歳、女性は87.45歳となっています。

こうしたことを踏まえると、今の現役世代が年金を受給できる年齢になったときにもらえる年金額は、今の高齢世代が受給している年金額よりも減っていくと予想されます。公的年金だけで老後の生活費を賄うのは難しいことが分かってきたなかで、注目されているのが個人型確定拠出年金iDeCoなのです。

自分で年金を準備したい人のためのiDeCoとは

iDeCoは国民年金とは異なり加入は任意です。掛け金は月々5,000円からで、1,000円単位で選ぶことができます。自分で申し込み、掛け金を拠出し、自分で運用方法を選びます。年金を受け取るときには、掛け金とその運用益との合計額を受け取ることができます。

iDeCoの大きな特徴は、掛け金、運用益、そして給付を受け取るときに税制上の優遇措置を受けられること。自営業者だけでなく、2017年の改正で会社員や公務員、専業主婦(夫)も加入できるようになりました。

今のところ会社に確定拠出年金制度(企業型DC/企業型確定拠出年金)がある人はiDeCoをするには労使の合意が必要ですが、2022年10月からは原則加入対象となります。名実ともに、誰でも加入できるようになると言えるでしょう。

2019年に「老後2,000万円問題」が世間で話題となったこともあり、税制上のメリットを受けながら、老後の資産形成をする方法としてiDeCoがますます注目を集めると考えられます。

iDeCoの注意点

いいことずくめに思えるiDeCoですが、私的年金という特性上、NISAやつみたてNISAと違って60歳になるまで引き出しできない点に注意してください。積立金額の変更は可能ですが、年に1回だけです。無理のない金額で積立を始めましょう。また、専用口座の開設や維持に手数料がかかることもデメリットと言えます。