銀行員は業務上お客様の貯蓄額を確認でき、同時にお客様との会話でその人がどんな形でお金に向き合っているかもわかる立場にあります。

この記事では筆者が銀行業務を通して「この人はお金が貯まらない人だ」と感じたケースを紹介。その改善策についてもお伝えします。

(1)「余ったら貯蓄」という考えがある

お金が貯まらない人にありがちなのが「余ったら貯蓄する」という考えです。

人間は意思が弱いので、手元にあるお金を全部使いがち。「余ったら貯蓄」でお金を貯めることは不可能に近いでしょう。そのやり方でお金を順調に貯められた事例を筆者は知りません。

それよりも毎月収入の一部を先取り貯蓄に回し、残ったお金で生活した方がお金は貯まります。銀行のお客様でも、貯蓄が多い人ほど先取り貯蓄を積極的に行っていました。

(2)整理整頓ができない

整理整頓ができない人もお金が貯まりにくいです。

銀行窓口には通帳や印鑑をなくしたお客様がよく来ますが、たいてい「どこに置いたか忘れた」と言います。そのような人はお金やものの管理がずさんな傾向があります。

お金の管理がずさんだと収支のバランスを考えずに使ってしまい、家計が赤字になりがちです。また、ものの管理がずさんな場合は重複買いなどの無駄な支出が原因でお金が貯まりにくくなります。

それを防ぐためにも、まずは身の回りの整理整頓を行い、毎月のお金の出入りも整理整頓することが大事です。

(3)時間の管理が下手な人

時間の管理が下手な人もお金が貯まりにくいでしょう。

時間の管理が下手だと出がけにバタバタして忘れ物が多くなり、無駄な支出が発生しがちです。その典型として「ビニール傘が何本も家にある人」が挙げられます。

また、優待金利の定期預金の満期が過ぎて通常金利に戻っていたことに長い間気づかず、金利面で損をしてしまうケースも時間の管理が下手な人に起こりがちです。

その結果、お金を貯められない人になってしまいます。

自分にその自覚がある場合はすぐに時間の管理方法を見直し、常に余裕をもって行動できるように心がけましょう。それによって無駄な支出が減り、お金が貯まってくるでしょう。

(4)安売りや限定品に弱い

安売りや限定品に弱い人もお金が貯まりにくい人です。安さが購入の動機になりがちだからです。

安さが購入の動機になると、必要のないものや消費期限までに使い切れない量を買ってしまいがちです。その結果廃棄する羽目になればかえって高い買い物になってしまいます。

そのような人は商品を前に「必要かどうか?」といつも自問自答しましょう。無駄な衝動買いが減ってお金が貯まりやすくなります。

(5)クレジットカードやポイントカードのポイント管理ができていない

クレジットカードやポイントカードのポイント管理ができない人もお金が貯まりにくいでしょう。

例えば有効期限が切れてしまうと、当然ですがポイントは使えなくなります。また、ポイントを増やすために不要な買い物をしたり安易にリボ払いに切り替えたりすれば、ポイントの恩恵よりも損失の方が大きくなります。

ポイントを上手に活用するには、使うカードを最小限に絞りスマホアプリに集約させます。ポイントの管理が簡単にできるようにすることでポイントの有効活用ができるでしょう。

お金が貯まらない人はふだんの生活習慣に問題がある

お金が貯まらない人の多くは、ふだんの生活習慣に問題があります。以上で挙げた項目に自分が当てはまる場合は特に要注意です。まずは自らの生活習慣を見直し、お金が貯まらない生活習慣をあらためることをおすすめします。

 
文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。

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