そのため、平成ギャルが所持していたアイテムは20年以上経った今でも、そのオマージュとしてしっかり生まれ変わっているのです。対する、当時からあった体型カバーやモテを狙ったような平成アイテムは時代の波を越えられず、ダサいものとして認識されやすいのかもしれません。
◆リバイバルする起因は、前向きな美学にもとづく
どんな流行も時代とともに廃れる日はやってきます。しかしその流行するアイテムの本質が「自分らしくあるため」という前向きなものなのか、または「気になる人の目をカバーする」という後ろ向きなものなのかで、その後にブームが再来するかどうかが分かれるように思えます。洋装ファッションの基礎を作ったココ・シャネルの服も、女性が社会で活躍するためにという前向きな服装を提唱し続けた結果、それがリバイバルを繰り返して今の定番服としてなお存在し続けています。
日本においては、ギャルたちがその前向きなマインドを提唱し続けてくれているのでしょう。ギャル最盛期のころ、小・中学生だった筆者はギャルを怖い存在として見ていました。ですが時を経て大人になった今改めて思うのは、日本のギャル文化は世界に誇れる素晴らしい美学であるということです。かつてのような黒ギャルは消滅しても、ギャルマインドは形を変えて永遠に語り継がれていくのかもしれません。
<文&イラスト/角佑宇子>
【角 佑宇子】
(すみゆうこ)ファッションライター・スタイリスト。スタイリストアシスタントを経て2012年に独立。過去のオシャレ失敗経験を活かし、日常で使える、ちょっとタメになる情報を配信中。2023年9月、NHK『あさイチ』に出演。インスタグラムは@sumi.1105