※筆者作成
漁獲方法が異なっても、同じ魚を獲るケースもあります。漁に出る日数や生産量・漁獲できる魚が変わると、売り上げや年収に差が出るようです。
年収が高いといわれる漁業は?
年収が高い漁業の種類としては、遠洋漁業や海面養殖業が挙げられます。表2は、漁業の種類や漁獲方法ごとの平均的な年収をまとめたデータです。
表2
漁業の種類 | 漁獲方法(一部) | 漁獲方法ごとの年収 | 漁業種類ごとの平均年収 |
---|---|---|---|
沿岸漁業 | 船曳網 | 300~800万円 | 200万円~300万円 |
小型底引き網 | 300~450万円 | ||
沖合漁業 | イカ釣り | 900~2000万円 | 200万円~300万円 |
引き網 | 約1000万円 | ||
遠洋漁業 | 遠洋カツオの一本釣り | 700~1200万円 | 600万円~800万円 |
遠洋マグロのはえ縄 | 650~1000万円 | ||
遠洋底引き網 | 1000~1500万円 | ||
海面養殖業 | – | – | 約1000万円 |
※筆者作成
農林水産省 水産庁の「令和5年度 水産白書」によると、海面養殖業の平均漁労所得は前年よりも228万円増加しており、遠洋漁業の平均的な年収を上回っているようです。また、イカは市場での流通量が少なく需要が高いため、時期にもよりますが稼ぎやすい傾向にあります。
漁業の種類でみると海面養殖業と遠洋漁業、漁獲方法でみるとイカ釣りや遠洋底引き網、引き網漁の年収が高いようです。ただし、個人の力量や会社の規模によって異なる可能性もあるため、必ずしも本記事で解説した金額を稼げるとは限りません。
実家が漁業じゃなくても大丈夫! 漁師になる方法
漁師は、実家が漁業をしていない場合でも就業できる職業です。まずは、どのような種類の漁業を行いたいかを考えましょう。というのも、沿岸漁業にするか、沖合・遠洋漁業を選ぶかで、必要な資格が異なるためです。
次に、漁業研修制度を使用したり、漁業学校に入ったりして、専門的な知識を身に着けます。漁業研修制度とは、漁業経験のない就業希望者が、就業を希望する地域で必要な技術や知識を学べる制度です。
全国各地で行われているため、自身の行いたい漁業の種類や、働きたい地域に合わせて探すといいでしょう。漁業に必要なスキルを身に着けたら、いよいよ就職です。
沿岸漁業の場合は、個人で経営している方もいるため、そういった人に弟子入りする方法があります。一方、沖合・遠洋漁業の場合は、一般的なサラリーマンと同様に企業への就職が一般的です。就業後は、沿岸漁業であれば独立、沖合・遠洋漁業の企業に属した場合は、幹部職などにキャリアアップする道もあります。