「漁師」は年収1000万円稼げるケースも!?やはり実家が漁業をしていないと難しいの?
テレビで「マグロの1本釣り漁」の様子が放送されているのを見て、「漁師は稼げる」というイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。実際に「稼げそうだから」との理由で、漁師を目指す方も少なくありません。   一方、漁師は個人で営む方も多い職業であるため、実家が漁業をしていなければ、就業は難しいというイメージを抱かれがちです。   そこで今回は、「そもそも漁師になると年収1000万円を稼げるのか」「実家が漁業をしていない場合でも漁師になれるのか」について解説します。

▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?

漁師は必ずしも1000万円稼げるとは限らない

結論からいうと、漁師になったからといって必ずしも1000万円を稼げるとは限りません。というのも、多様な漁獲の種類があり、それによって年収が異なるためです。
 
農林水産省 水産庁発表の「令和5年度 水産白書」によると、令和4年の沿岸漁船漁業を営む個人経営体の平均漁労所得は252万円となっています。また、漁労外事業所得を加えた事業所得は278万円です。そのため、1000万円には到底及びません。
 
漁の種類によっては、年収1000万円を稼いでいる漁師もいるかもしれませんが、ほんの一握りである可能性が高いでしょう。また漁師は、過酷かつ危険をともなう職業と言われています。そのため、「年収1000万円を稼ぎたいから漁師になろう」といった安易な考えは、避けた方がいいかもしれません。
 

日本で行われている漁業の種類

日本で行われている漁業の種類は主に以下の4つです。それぞれの特徴は、表1の通りです。
 
表1

漁業の種類 説明 漁獲できる主な魚
沿岸漁業 ・基本的に日帰りで行う漁業
・漁獲方法は豊富にある
・漁業時間や時期に応じて取れる魚が異なる
・日本で最も主流の漁業
・イワシ・イカナゴ・アジ・
サバ・サケ・ブリ
マグロ類・カツオ・アワビ・イカ
沖合漁業 ・排他的経済水域(200海里)が漁業範囲
・2~3日程度で行う(50日以上の場合もある)
・20~200トンほどの漁船を使用
・魚の漁獲量が日本で一番多い漁業
スケトウダラ・ホッケ・
サバ・イワシ・
サンマ・カツオ・
ズワイガニ・カジキ
遠洋漁業 ・世界の海で行う漁業
・1ヶ月以上、場合によっては1年かけて漁獲活動を行う
・生産量は全体の1割程度
キンメダイ・カツオ
マグロ・イカ・マダイ
海面養殖業 ・魚や貝などを人工的に育てる方法
・平均漁労所得が多い傾向にある
ブリ・マダイ・ホタテ貝・
カキ