訪問業者による危険性は、金銭的な被害だけにとどまりません。これらの業者が「名簿づくり」として情報を収集し、それが強盗など凶悪犯罪に悪用されるかもしれないからです。
例えば、「ご高齢だとなかなか屋根に登れませんよね? お子さまはご一緒ではないのですか」といった質問に対し、住人が「息子は遠くに住んでいて、年に数回しか帰ってきません」と答えると、家族が普段不在であることが相手に伝わってしまいます。
さらに、「ちょっと修理が必要ですね。もしかしたら200万円くらい必要な大規模な工事になるかもしれません」といった提案を受けて、「そのくらいならなんとか出せますよ」と答えることで、資産状況を把握されてしまうのです。
単なる雑談のつもりが、実は犯罪のターゲット情報を収集する手段であるかもしれません。
このような情報が犯罪グループに渡った場合、自宅が強盗の標的にされる可能性が高まるため、不審な訪問者との会話には特に注意が必要です。こういったことを避けるためにも、「無料」であっても、点検を受け入れることは避けたほうが良いでしょう。
かたり調査による個人情報流出も! 千葉県警が注意喚起
注意すべきは無料点検の訪問だけではありません。例えば、千葉県では自治体や公共機関の職員を装った「かたり調査」による被害について、注意を呼びかけています。
かたり調査とは、「市役所の職員ですが、統計調査にご協力ください」など行政機関が行う調査といった形で訪問し、住民から情報を聞き出す手口です。こうした情報収集が行われると、家族構成や住人の行動パターン、さらには資産状況までが知られてしまう危険性があります。
千葉県によると、正式な統計調査員は「調査員証」を携帯しています。不審な訪問を受けた場合は、調査員証の確認を徹底し、疑わしいと感じたらその場で対応せず自治体に直接連絡するようにしましょう。