姉から「生活保護を受けようか迷っている」と相談が。家族から「援助できない」と言うと、受給できるのですか? 少しでも援助すべきでしょうか?
親族から「生活保護を受けようか迷っている」と相談をされた場合、どこまで援助するべきなのでしょうか。そもそも親族からの援助があると生活保護は受給できなくなるのでしょうか。   本記事では生活保護を受給するための要件や、援助されている場合に生活保護を受給できるか、困っている親族にどのような援助をすればよいかなどを解説します。

▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?

生活保護を受給するには

生活保護は、最低限度の生活の保障のために生活費などが支給される制度です。生活保護を受けるためには、資産や能力などあらゆるものを活用する必要があります。具体的には車や家などの資産を処分して生活費に充てたり、自分の能力を活用して可能な限り働いたりしなければなりません。
 
「あらゆるものの活用」の中には、扶養義務者からの援助も含まれています。扶養義務者は3親等以内の親族が該当します。つまり配偶者のほか、親子(1親等)、祖父母・孫(2親等)、おじ・おば、おい・めい(3親等)です。
 

扶養義務者からの援助があると生活保護は受給できない?

扶養義務者からの援助があると生活保護は受給できなくなるのでしょうか?
援助を受けていても金額によっては生活保護を受給できますが、援助を受けている分だけ保護費が減額されます。
 
例えば、月に3万円の援助を受けている場合、通常10万円の保護費が支給されるところ、3万円減額されるため支給額は7万円になります。つまり、援助を受けていても受けていなくても、生活保護受給者が受け取れる金額は同じです。
 

生活保護を受けそうな親族を援助するべき?

生活保護を受けそうな親族がいるのであれば、援助をするべきなのでしょうか?
 
援助ができる余裕があるのなら援助するべきですが、余裕がないのであれば無理に援助する必要はありません。
先ほども説明したように、保護費に満たない援助額であれば、本人が受け取る金額は援助があろうとなかろうと変わりません。また、保護費を上回る金額が援助できる場合でも、注意が必要です。
 
生活保護はいわゆる保護費と呼ばれる生活扶助だけでなく、アパートなどの家賃を助けてくれる住宅扶助や、本人負担なしに医療・介護サービスが受けられる医療扶助・介護扶助などもあるからです。
 
生活扶助の保護費分だけでなく、家賃や医療・介護費まで援助でカバーしようと思うと、そのハードルはかなりの高さだと言わざるをえません。援助が大変になり自身の家計まで破綻しては本末転倒です。無理のない範囲で援助するようにしましょう。
 

経済的な援助が難しい場合にできること