部長クラスの平均給与から、50代の世帯の平均消費支出額を引くと、手元には25万円ほど残ります。子どもから見ると、25万円はかなり大金だと感じるでしょう。それでも、親が「お金がない」と言うのは、以下の理由が考えられます。
●老後の資金を貯めなければいけない
●子どもの教育費を準備しておく必要がある
●住宅ローン支払いが完了していない
●幼少期にがまんも大切だということを理解してもらう
●収入はあるが、自由に使えるお金は少ない
40~50代は、「人生の3大支出」が重なる時期ともいわれています。人生の3大支出とは、住宅・教育・老後のための支出です。老後資金は一般的に60代から必要となるため、40~50代で本格的に貯蓄する必要があるでしょう。
また、住宅ローンもまとまった収入のあるうちに完済したいと考える方が少なくありません。そのため、40~50代は支出の正念場でしょう。
特に自身が幼少期の頃は、父親も非役職社員で今ほど給料をもらっていなかった可能性もあります。月給が31万円ほどのときから、住宅ローンの返済を始めたり、子どもの教育資金を貯めたりするとなると、必然的に自由に使えるお金は減るはずです。
「お金がない」と考える金額は人それぞれですが、「遊びや娯楽に使えるお金はほとんどない」ため、そのように言っている可能性もあるでしょう。
お金がない=収入が少ないとは限らない
「お金がない」と言っているからといって、収入が少ないとは限りません。というのも、厚生労働省の調査によれば、部長クラスの男性は月に60万円程度の収入を得ている可能性があり、非役職社員に比べて倍近く稼いでいます。そのため、一般的に考えると高収入でしょう。
しかし、収入が多いからといって、自由に使えるお金ばかりとは限りません。生活費はもちろん、40~50代は、教育費や住宅ローンの返済、老後資金の準備など、人生の3大支出が重なる時期といわれています。
親が「お金がない」と言っているのは、常に一定額の支出や貯蓄が必要であるため、遊びや娯楽に使えるお金は少ない、とも考えられるでしょう。