「1で終わる説明を10に分けて説明するくらい、細かく内容を分けて少しずつ理解できるように設計しています。また、言葉だけでは理解が難しい子どもたちのために、直感的に理解できるように工夫しています。親しみやすいキャラクターやユニークな動きをするゲームを通じて、抽象的な概念を具体的にイメージできます。それから、1つの概念に対して、いくつかのパターンのゲームがあるので、反復して学習しても飽きにくいですし、その子に合う方法で学ぶことができます。例えば、『数の位』という概念に対して、1個、10個、100個のブロックのかたまりを理解したり、ロケットの燃料に例えたりしたゲームなどですね。ブロックのゲームで理解できなくても、ロケットのほうでわかるようになったり、繰り返しアプリで遊ぶうちに自然と学ぶことができるんです」

 子どもたちに対するアプリの学習効果は、どのように検証されてきたのでしょうか。

「まだトドさんすうを開発して間もない頃に、イーロン・マスク氏が後援する『Global Learning XPRIZE』という教育ソフトウェア開発コンテストに出場しました。タンザニアで教師のいない環境で、読み書き計算のできない子ども達に15か月間使用してもらうことで、効果を検証してもらったんです。準備期間などを含めると5年かかり、端末のメンテナンスなどのためにアフリカへ渡航するためかなりの費用がかかりましたが、『私たちが解決するべき問題だから』というCEOの説得で、会社のリソースを投資して取り組みました。その結果、2019年にもっとも学習効果の高いアプリとして、198チームの中から共同優勝しました」

◆アプリ学習で英語はどこまで上達する?

趙さん
「トド英語」にはAIが発音をチェックしてくれる機能も
 最近は、子どもが小さい頃から家庭で英語に触れさせる「おうち英語」に熱心な家庭が増えています。日本人の英語力は英語を母語としない116か国中92位(国際語学教育機関・EFエデュケーション・ファーストの2024年調査より)とされますが、トド英語は、日本人が英語を学びやすい工夫が施されているそうです。