SNSでは「知らないうちに足し算、引き算を理解していた」「いつのまにか英単語を読めるようになっていた」といった就学前の子どもを持つ親の投稿も見られます。
「障害のある子ども向けに設計された教材は視覚的・操作的に工夫されているため、幼い子どもたちにもわかりやすく使いやすいものになっています。そのため、知的障害のある子どもだけでなく、低年齢の子どもにも自然と受け入れられるアプリになっています」
また、開発の中で夫妻は障害を持つ子どもに限らずもっと多くの子どもに、一人で学べる教材が必要だと考えるようになります。
「夫妻は就学時にアルファベットと数字の区別がつかない子どもが一定数いることに気づきました。授業では『この程度の学力があるだろう』と想定して学習が進められますが、その想定に届かず授業についていけない子どもたちは、一度取り残されると、その後も学校の授業についていけなくなってしまいます。こうした子どもたちが大人の助けを借りずに一人で学べる教材が必要だと考え、開発したアプリがその課題を解決できるのではないかと考えたそうです。我が家でも子ども3人が取り組んでいますが、私が全然タッチしていなくても、子どもたちが自分から勝手に学習しています」
さらに夫妻は、教育のインフラが整っていなかったり、経済的な理由で勉強ができないなどの理由で学びの機会を得られないという世界共通の課題にも目を向け、2012年、アメリカのシリコンバレーで会社を設立したといいます。
◆タンザニアで学習効果を検証
前述したように、学校教育では、決められたカリキュラムがあるので理解に時間がかかる子どもは取り残されてしまうことがあります。このような問題を解消するため、トドさんすうでは、スモールステップで学べるよう工夫されています。