先述したように、生活費として使用した金額は、贈与税が課税される可能性があります。しかし、税金を支払ってさえいれば、余ったお金の使用用途は孫や子どもが自由に決められるでしょう。税務申告をしないままに使用すると、あとで税務署から指摘される可能性があるため、納税忘れをしないよう期限内に申告することが大切です。
 
今回は、以下の条件で教育資金が余ったときにかかる贈与税額を求めましょう。

●700万円のうち250万円を大学の教育費として使用
●契約終了時点でほかに贈与はない

まず、契約終了時点で残りの金額は450万円です。贈与税は110万円(基礎控除)を差し引いた金額を基に計算するため、340万円が課税金額になります。国税庁によると、祖父から孫へ贈与した場合の特例税率は15%、控除額は10万円です。計算をすると、贈与税は41万円が課されます。
 

生活費を別で渡すと原則として非課税になる

制度を利用しなくても、生活費として渡したお金なら原則として非課税になります。国税庁によると、祖父母や両親、兄弟姉妹などから生活費や教育費のために渡されたお金は、通常必要と認められる金額であれば非課税になるためです。
 
もし、生活費の支援もしたいと考えているときは、教育資金としてまとめてもらわずに、生活費が必要になったタイミングで別で送ってもらった方がよいでしょう。
 

税務申告をしていれば生活費にできる

制度を利用すれば、非課税で孫や子どもへ教育資金をまとめて渡せます。しかし、非課税と認められるのは、教育のために使用したお金のみです。もし、株式や宝石の購入費などほかの目的で使用すると、使った分は非課税になりません。また、契約終了時点でお金が残っていたときも課税対象となります。
 
余ったお金を生活費として使用するには、税務申告が必要です。契約終了時点での残額とそのほかの贈与額を合計して計算しましょう。申告を忘れていると、あとから追加で税金が課される可能性もあるため、注意が必要です。
 
税金負担もなるべく少なくしたいなら、まとめて700万円をもらわずに、一部を生活費として受け取る方法があります。
 

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