▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
企業年金とは
日本の年金制度は「基礎年金」と「被用者年金」、そして「企業年金」という3階層で成り立っています。
・基礎年金
1階部分にあたる基礎年金は一般的には「国民年金」と呼ばれています。日本国内に住む20歳以上60歳未満の、全ての人が対象です。
・被用者年金
2階部分は「厚生年金保険」です。民間企業の従業員や公務員などを対象に、報酬比例年金が基礎年金に上乗せされます。
・企業年金
3階部分の企業年金は「確定給付企業年金」「企業型確定拠出年金」「厚生年金基金」の3つに分けられます。運用方法や拠出方法などは、それぞれで異なります。
基礎年金・被用者年金が公的年金と呼ばれるのに対して、企業年金は企業・個人の任意で上乗せされるため、私的年金と呼ばれています。また、企業年金に加入できるのは2階部分の厚生年金保険に加入する人に限られます。
企業年金に加入する大きなメリットは、基礎年金・厚生年金の上乗せができ、将来受け取れる年金額が増えることにあります。それに加えて、企業年金に加入することで翌年の社会保険料・税金が下がり、節税となる可能性があります。
社会保険料・税金が下がる仕組み
では、なぜ社会保険料・税金が下がるのでしょうか?
企業年金に掛けた金額は、全額所得控除の対象となるため、給与額から企業年金の掛金分を引いた額面が社会保険料・税金の対象となります。
例えば、年収400万円の人が毎月2万円を企業年金に積み立てると、年間24万円が給与から引かれる計算となります。税金・社会保険料の対象となる年収が400万円から376万円へと下がるため、年間で支払っていた社会保険料が4万円近く下がる可能性もあります。所得税・住民税の負担も軽減します。