「タンス預金をもし見つけてしまっても、税務署が気付く前に隠せばいい」と思う人もいるかもしれませんが、まず不可能だと思ったほうがいいでしょう。
税務署は被相続人だけでなく、相続人の口座も金融機関に照会し確認できるからです。例えば相続税の申告後にタンスから500万円が出てきて、2人の相続人が250万円ずつ受け取って口座に入金すると、税務署にタンス預金の存在がバレる可能性が高いです。
税務署は通帳記録に加えて、その預金がどのように得られたかをヒアリングしたり実地調査したりする権限を持ちます。そのため、申告漏れ・脱税をしても見つかる可能性が高いといえるのです。
仮に口座に入れないまま保管していたとしても、被相続人が口座から出金した履歴を調査されるとタンス預金の存在がバレる可能性があります。
正しく修正申告をしなかったときはペナルティがある
タンス預金の存在がバレたときには「追徴課税」が発生することになります。追徴課税は「加算税」「延滞税」の2種類です。
加算税は、適切な申告がなかった人に対して加算される罰則的な意味合いがあり、延滞税は申告と納税の遅れに対する課税の意味合いがあります。
加算税のうち「無申告加算税」は本来納付すべきだった税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%が加算されます。
もしも隠ぺいや仮装など意図的に財産隠しをしたと判断されると「重加算税」として、無申告のケースでは無申告加算税に代えて40%の重課税となるので注意しましょう。
延滞税は「期限日翌日から2ヶ月以内」は課税割合が年2.4%、「2ヶ月超」は年8.7%の納税が必要です(令和7年12月31日まで)。
まとめ
相続税後の申告・納税後にタンス預金が出てくると「秘密にしておけばバレないのでは?」という考えが浮かぶかもしれません。ただし、実際には税務署はさまざまな方法を用いて財産の行方を調べることができます。
隠したときの代償はあまりにも大きいため、タンス預金が見つかった時点で正しく申告をするようにしましょう。