観終わったあとに、ほっこりするものもあれば、深く考えさせられるものもある、家族モノの映画。優しい気持ちになれたり、我が身を振り返ったりと、ただ楽しいだけの映画とは少し違いますよね。今回は、さまざまな家族の形が描かれた映画作品を集めました。

家族がテーマのおすすめ映画ランキングTOP30!

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第30位:うさぎドロップ

・監督:SABU
・主な出演者:松山ケンイチ/芦田愛菜
・公開日:2011年8月20日

「うさぎドロップ」は、宇仁田ゆみさん原作の同名漫画の映画化作品です。同時期にアニメ作品も放送されていました。

独身男性が、母親に捨てられた幼女を育てる物語。2人の間に生まれる親子愛や、母子家庭の女性との淡い恋愛を描いています。

また、仕事と子供の選択を迫られる女性や、自分を犠牲にして子育てをしなければならない母親の姿を通じて、家族愛だけでなく、家族・親子が成立するための裏側も描かれています。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第29位:はじまりへの旅

・監督:マット・ロス
・主な出演者:ヴィゴ・モーテンセン/フランク・ランジェラ
・公開日:2017年4月1日

両親の主義で、10年間の森の中での生活していた家族たち。しかし、サバイバル技術と自然との共存する素晴らしさを教え込まれた子供たちを残し、母親が精神を病んで自殺してしまいます。

葬儀方法について義父とモメた父親は、6人の子供たちを連れて旅へ。森の中で社会批判の精神を基礎に生きてきた子供たちが、初めて文明と触れ合い成長していく姿を描いています。

「はじまりへの旅」は、子供たちの成長であると同時に、両親が自分の思想を子供に押し付けることの是非を問う物語でもあります。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第28位:グッモーエビアン

・監督:山本透
・主な出演者:麻生久美子/大泉洋
・公開日:2012年12月15日

名古屋を舞台に、破天荒な母親と、彼女を支えるしっかり者の娘の描いた物語。

元パンクバンドのギタリストで未婚の母・アキと、中学生のハツキ。子供の頃に一緒に暮らした男・ヤグが帰国し、2人の家に転がり込んできたことから生活が変わっていきます。

血縁関係はないものの大切に思い合う3人の絆や、ヤグの過去、ハツキの友人・トモとの別れなどを通じて、ハツキの成長や大人たちの考え方・生き方を描いています。

「親にも若い頃があったんだ」と、両親の若いころに思いを馳せてしまうような映画です。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第27位:サバイバルファミリー

・監督:矢口史靖
・主な出演者:小日向文世/深津絵里
・公開日:2017年2月11日

「サバイバルファミリー」は、ある日突然電気関係がダメになり廃墟寸前となった東京から、父親の実家である鹿児島を目指す家族を描いた、サバイバルコメディ映画です。第1回マカオ国際映画祭・コンペティション部門出品作品です。

小言の多い父親、天然な性格の専業主婦の母親、工学系の知識を持つ息子、スマホ依存の現代っ子の娘という4人家族が、自転車の旅を通して、他の家族とのふれあいや家族の絆を再生させていくというストーリーです。

野犬に襲われたり、父親が川に流されてカツラしか見つからなかったり、悪天候に耐えたりと、パニック映画であることに間違いはありませんが、登場人物からはどこか余裕が感じられ、悲壮感が漂うわけではありません。シリアス作品が苦手という人にもおすすめです。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第26位:リトル・ミス・サンシャイン

・監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス
・主な出演者:リチャード・フーヴァー/フランク・ギンスバーグ/アビゲイル・ブレスリン
・公開日:2006年12月23日

「リトル・ミス・サンシャイン」は、問題を抱え、どうしようもない人間ばかりの家族が、美少女コンテスト優勝を夢見るぽっちゃり眼鏡っ子の娘のために奮闘するストーリー。

世界興行収入は1億ドルを超え、第79回アカデミー賞では作品賞を含む4部門でノミネート。脚本賞と助演男優賞を獲得していて、評論家の評価の高い映画でもあります。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第25位:きみはいい子

・監督:呉美保
・主な出演者:高良健吾/尾野真千子/池脇千鶴/高橋和也
・公開日:2015年6月27日

児童虐待や育児放棄について、被害児童側からだけでなく加害者である親に焦点を当てた、中脇初枝さんの短編集「きみはいい子」。坪田譲治文学賞を受賞した同作品は、各短編が共通の狭い世界でリンクしていて、隠れた児童虐待問題の多さを実感できるようになっています。

映画では、被虐待児童を救おうとする新米教師、母親から虐待を受けていた過去を持ち娘を虐待してしまう母親、認知症の老人と自閉症の息子を持つ母親の3つのストーリーを描いています。

ドアの内側で行われている虐待という問題は、加害者である親も被害者であると訴えると同時に、誰かが手を差し伸べてくれるだけで光が差すかもしれないとしています。

重たいテーマですが、救いのある結末となっています。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第24位:旅立ちの島唄 〜十五の春〜

・監督:吉田康弘
・主な出演者:三吉彩花/大竹しのぶ/小林薫
・公開日:2013年5月18日

「旅立ちの島唄 〜十五の春〜」は、南海の孤島・南大東島が舞台。島には高校がないため、進学する子供たちは中学卒業と同時に島を出るという背景があります。

中学卒業を来年に控えた少女が、複雑な家庭環境の中で真っすぐに生きようとする物語。家族モノであり青春モノでもあります。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第23位:麦子さんと

・監督:吉田恵輔
・主な出演者:堀北真希/松田龍平/余貴美子
・公開日:2013年12月21日

「麦子さんと」は、母と疎遠になっていた娘が、母の死後、母の若い頃を知る人たちから母親の幼少期を聞かされて思いを新たにするというストーリーです。

離婚して出て行って以降、一度も会いに来なかった母親。そんな母親を一緒に憎んでいると思っていたのに、実はこっそり資金援助を受けていた兄は、火葬場では号泣するものの、納骨を妹に押し付けてしまいます。

母親の故郷に骨を収めに行った際、昔の母親を知る知り合いらから、母親の過去を聞かされた主人公は、母親からの愛情を感じて絆を取り戻していくという内容になっています。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第22位:トワイライト ささらさや

・監督:深川栄洋
・主な出演者:新垣結衣/大泉洋
・公開日:2014年11月8日

「トワイライト ささらさや」は、加納朋子さんのファンタジー小説を映画化したものです。

乳飲み子を抱えて夫を亡くした主人公と、主人公を心配するあまり、幽霊になって他の人に乗り移っては主人公を助ける亡夫。亡夫の葬儀で初めて対面した亡夫の父親は、孫を渡すよう要求しますが主人公は応じず、ささらという街に引っ越していきます。

人口の少ない田舎町で周囲の人に支えられながら生きていく母と息子と、それを見守る亡夫が成仏するまでの様子を描いた心温まるストーリーです。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第21位:海よりもまだ深く

・監督:是枝裕和
・主な出演者:阿部寛/真木よう子/小林聡美/リリー・フランキー
・公開日:2016年5月21日

「夢見た未来とちがう今を生きる、元家族の物語」というキャッチコピー通り、売れない小説家である主人公と、団地で一人暮らしをする母親、主人公の元妻と息子。3組の世帯を通じ、それでも新たな今を生きるというストーリーです。

第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品作品で、ノルウェーの第26回フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭では最高賞であるシルバー・ミラー賞を受賞しています。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第20位:モヒカン故郷に帰る

・監督:沖田修一
・主な出演者:松田龍平/塚本明
・公開日:2016年4月9日(広島でのみ2016年3月26日先行公開)

瀬戸内海にある架空の小島を舞台に、父親と、父親に反発して出ていった息子を中心にした家族再生物語「モヒカン故郷に帰る」。

モヒカン頭でデスメタルバンドのボーカルを務める息子が、恋人の妊娠をきっかけに結婚を決意。実家のある小島へ帰郷しますが、息子の情けなさに怒った父親と大喧嘩が勃発。しかし、結婚祝いの宴会の最中、父親が末期がんで倒れてしまいます。

父親の願いを叶えるため、不器用で的外れながらも奔走する息子。涙なしでは見られない、感動ストーリーです。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第19位:ツレがうつになりまして。

・監督:佐々部清
・主な出演者:宮崎あおい/堺雅人
・公開日:2011年10月8日

バリバリーのサラリーマンだった夫と、漫画家の妻。ある日突然「死にたい」とつぶやいた夫は、うつ病になっていたというところから、ストーリーが始まります。

「甘え」「心の弱い人がなる病気」と思われがちなうつ病という病気に対し、「誰でもなる可能性がある」「怠けとは逆の精神から発症する」と認識を改めた妻が、夫と共に「がんばらない」をテーマにうつ病と付き合っていくという内容で、ある意味デコボコな夫婦2人の共闘物語に仕上がっています。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第18位:歩いても 歩いても

・監督:是枝裕和
・主な出演者:阿部寛/夏川結衣/樹木希林/YOU/原田芳雄
・公開日:2008年6月28日

「歩いても 歩いても」は、兄の命日に実家へ戻った姉弟の夏の1日を描いたストーリーです。

失業中で子連れ女性と結婚した主人公は失業中。少年を助けて自分は死んだ兄の墓参り中、元少年に面と向かって息子を失った怒りをぶつける母親や、ソリの合わない父親、弟夫婦に子供を作るなと進言するおせっかいな小姑である姉。

血縁関係があるからこそ顔を出してしまう人間の嫌な部を描き、家族関係を見直す必要性を感じる内容に仕上がっています。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第17位:おおかみこどもの雨と雪

・監督:細田守
・主な出演者:宮崎あおい/大沢たかお
・公開日:2012年7月21日

「おおかみこどもの雨と雪」は、アニメーション作品。興行収入42億円となり、地上波放送でも15%という高視聴率をたたき出した人気作品です。国際的な映画祭で、数々のアニメーション映画賞を受賞しています。

狼との間に娘と息子をもうけた人間の母親と、「おおかみこども」として生まれた姉弟の成長を描いた作品です。

人間と狼の間で揺れ動き、人間を選択した姉と、狼を選択した弟。そして、そんな2人を懸命に愛し育てようとする母親の成長と別れを描いたストーリーです。

家族がテーマのおすすめ映画ランキング第16位:チャンス商会 初恋を探して

・監督:カン・ジェギュ
・主な出演者:パク・クニョン/ユン・ヨジョン/チョ・ジヌン/ハン・ジミン
・公開日:2015年9月25日

2008年公開のアメリカ映画「やさしい嘘と贈り物」の韓国リメイク版。

一人暮らしの70歳の老人が、向かいに引っ越してきた花屋店主の女性に恋をし、なんとか成就させて結婚。その後認知症となった老人は、妻の顔を覚えていないものの、若い頃の初恋のことだけは覚えていて…という物語です。

後半では、老人同士の恋を温かく応援していた周囲の人たちの正体が明かされ、老人同士の恋を微笑ましく描いた夫婦愛の物語ではないと気づかされます。

と同時に、現代社会では誰にでも起こり得る「認知症」について、考えさせられる作品となっています。