「大学で彼女ができる人はトップ層のイメージだった」といいます。これは古川さんの個人的な感想というだけではないと思います。
古川さんが20歳だったのは2014年です。オーネットが成人式を迎える20歳になる男女を対象として毎年実施している「新成人の恋愛・結婚に関する意識調査」によると、2014年に「恋人がいる」と答えた割合は24.7%でした。
2000年は新成人の47.3%は交際中の恋人がいました。余談ですが、筆者が20歳ぐらいだった頃です。私の大学時代には「クリスマスに恋人がいないのヤバイ」という風潮があったのですが、古川さんの時代はいないほうがもはやスタンダードのようです。約15年の間に状況が大きく変わったのが、お分かりいただけるかと思います。
◆ブラック企業で「お前なんかいらない」と怒鳴られる
就活では福岡県内の企業を中心に受けます。「やりがいがありそう」と思い、学習塾を運営する企業に就職した古川さん。学習塾に関する予備知識はない状態で入社します。所属は長崎県で、個人宅を訪問する営業でした。契約が取れずに強い叱責を受けるのが日常、という職場でした。朝礼でみんなの前で「お前なんかいらない」と怒鳴られることもありました。
「今思えばパワハラですが、こういうものだろうと思ってしまいました。社員300人中50人が新入社員でいびつなんですけれど、その時は社会人経験もなくおかしいと気が付けませんでした」
給料は額面20万円、手取り約17万円。社会人になってからは奨学金の返済も始まり、年払いで20万円ずつ返済中です。長崎県ではレオパレスに住み、家賃は5万円。会社からの補助は1万円程度でした。
営業は無理だと異動の希望を出し、経理に異動。この異動に伴い愛知県に引っ越します。パワハラはなくなったのですが、伝票管理がずさんで拘束時間は長く、一カ月の間で完全に休めるのは6日程度でした。