進学した中学は、メンタル不調で休職する教師がでるほど荒れていました。古川さんの学年は特に荒れ方がひどく、複数のクラスが学級崩壊を起こすほどだったそうです。不良グループから目をつけられた古川さんは、中学で壮絶ないじめを受けました。
カツアゲされて、殴られたり蹴られたり、さらにはネットの匿名掲示板に自宅の住所を書かれるなど、いじめの内容は恐ろしいものでした。他にもいじめられている生徒はいましたが、不良たちの報復が怖くて先生に相談はできなかったそうです。
◆奨学金200万円の返済が今も続いている
高校に進学し、いじめっ子からは離れることができました。部活動は女性部員も多い運動部に所属していたものの、話しかけて嫌われたら怖いという思いから女性に話しかけることはなかったそうです。
通っていた高校では、大学に進学する生徒がほとんどでした。古川さんは国語が苦手で数学が得意だったという理由から、地元の私立大学工学部に進学します。進学の際に無利子の奨学金200万円を借ります。そのときの奨学金は、現在も返済中です。
古川さんが大学進学した平成24年(2012年)は大学進学率が50.8%(※1)で、大学学部(昼間部)の学生のうち52.5%が奨学金を受給しています(※2)。なお、令和4年(2022年)の調査では55.0%です(※3)。奨学金返済に追われる若者はそれだけいるのです。
(※1)文部科学省「大学入学者選抜関連基礎資料集 9.大学入学者数等の推移」
(※2)独立行政法人日本学生機構「平成24年度 学生生活調査結果」
(※3)独立行政法人日本学生機構「令和4年度 学生生活調査」
◆大学で彼女ができる学生は「トップ層だけ」
大学に入ったら彼女も欲しいと思った古川さん。飲み会サークルに入りますが、いわゆる陽キャが多くなじめずすぐにやめてしまいます。工学部に女性はほとんどいません。大学2年生になるころには、周りも彼女がいない人ばかりだったこともあり、彼女が欲しい気持ちは薄れてしまいました。