老後生活に必要な資金はどのくらい?資産形成方法にはどのようなものがあるの?
「人生100年時代」という言葉が浸透しつつありますが、老後における不安や懸念点は多くの方が持っているでしょう。中でも、老後資金は多くの方が悩む問題のはずです。   本記事では老後に必要な資金額を紹介しつつ、資産形成の方法も合わせて解説します。

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老後に必要な資金額

「老後2000万円問題」という言葉が世間を騒がせたこともありましたが、老後資金として必要な金額は人によって異なります。生活における支出額はもちろん、老後の収入、例えば受け取れる年金額などが人によって違うからです。
 
総務省統計局が行った調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、消費支出額の平均が1ヶ月当たり25万959円とされています。ただし、趣味などを楽しむような「ゆとりある老後生活」を送る場合には、それ以上の支出が見込まれるかもしれません。
 
老後の収入として多くの方が期待できるのは、国民年金と厚生年金です。厚生労働省によると、令和5年度の国民年金の平均月額は5万7700円とされています。また、厚生年金の平均受給額は国民年金を含めて14万7360円です。つまり、夫婦2人分であればひと月30万円弱となります。
 
なお、年金の受給額は支払った保険料により異なるうえ、厚生年金を受け取れるのは加入期間が10年以上あることが条件ですので、収入予測を立てる場合は注意してください。
 
夫婦2人が厚生年金を含めて平均的な年金額を受給できる場合、受給額が平均支出を超えているため、基本的には問題がないように思えます。ただし、月の支出額を平均以下に抑えられる前提です。言及するまでもありませんが、支出額が収入額を超えてしまう場合には、貯蓄などから捻出する必要があります。
 
厚生年金も含めて平均的な年金収入があり、かつ毎月安定して平均的な支出額以下に抑えられる場合は現在の貯金額でも問題はないでしょう。しかし、老後は医療費が多くかかるケースもあるため、突発的に大きな支出が発生することも想定しておく必要があります。
 
また、ゆとりある老後生活を送ろうとする場合、上記の試算よりも多くの支出が見込まれるため、これらを考慮するならば現在の貯蓄額では心もとないでしょう。
 

老後の資産形成方法