退職金を一括で受け取る場合のメリットとしては、前記したとおり税制面での優遇が大きい点が挙げられます。退職所得控除が適用され、課税対象額が大幅に軽減されるため、所得税がゼロになるケースも多いでしょう。
 
また、資金を一度に受け取れるため、例えば住宅ローンを完済したり、自身の判断で一括で資産運用したりといったことも可能です。
 
一括で受け取る場合にはデメリットも知っておきましょう。一括で受け取った場合、計画的に運用しないと、大金を短期間で使い切ってしまう可能性があります。
 
また、公的年金や再雇用などで定期的な収入源を確保していないと、安定した定期的な収入が得られないリスクもあります。
 

退職金を年金で受け取る場合のメリット・デメリット

退職金を年金で受け取る場合のメリットとしては、老後に定期的な収入源が得られるため、生活費の計画が立てやすい点が挙げられます。また、一度に使い切る心配がないため、資金を長期間にわたり確保できます。
 
デメリットですが、年金形式では雑所得に分類されるため、一括で受け取った場合のような退職所得控除のような優遇はありません。また、大きな出費が必要な場合にまとまった資金を用意しづらい可能性もあるでしょう。さらに、短命で受け取り期間が短くなると、トータルの受給額が少なくなることも考えられます。
 

まとめ

退職金を一括で受け取るのか、年金で受け取るのかについては、正解はありません。とはいえ、まとまった資金が必要な人や、大きな控除を受けたい場合には一括受け取りが適しています。
 
一方、老後の生活費を安定的に確保したい人は、年金受け取りが安心できるでしょう。それぞれの特性を理解し、自分のライフプランや経済状況に合った受け取り方法を選びましょう。
 

出典

国税庁 退職金と税
国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー