▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
退職金の受け取り方法:一括受け取りと年金受け取りがある
退職金の受け取り方法は大きく分けて「一括受け取り」と「年金受け取り」の2種類です。その名のとおり、「一括受け取り」は退職金の全額を一度にまとめて、「年金受け取り」は退職金を分割して年金のように定期的に受け取る方法です。
なお、退職金の受け取り方法は各企業の退職金制度によって決まります。自分がどのような受け取り方法ができるのかは、企業ごとに定められた退職金規程などを確認しましょう。
一括受け取りの場合、退職所得控除で税負担がゼロに?
一括受け取りの場合、退職金には「退職所得控除」が適用されます。この控除は勤続年数に応じて計算され、所得税や住民税の負担を大幅に軽減できます。退職所得控除額の計算方法は次のとおりです。
・勤続20年以下:勤続年数×40万円
・勤続20年超:800万円+70万円×(勤続年数-20年)
今回のように、勤続30年の人の退職金控除額は次のとおりです。
800万円+70万円×(30年-20年)=1500万円
そして、退職金の総額から控除額の1500万円を差し引いた残額のさらに半分が課税対象として、所得税の税率が課されます。
つまり、本記事のように、勤続30年で退職金1500万円の場合課税対象額がゼロとなり、所得税はかかりません。
年金受け取りの場合の税金
年金受け取りでは、受け取る金額が「雑所得」として扱われます。毎年の課税対象額が少なくなるため、一度に多額の税金を払う必要がないところは利点です。ただし、退職所得控除のような大幅な優遇措置はありません。