息子が「正社員登用制度」がある会社に「契約社員」として入社しました。本当に正社員になれるのでしょうか?
契約社員よりも正社員の方が雇用は安定していることもあり、収入面や待遇面でもメリットがあると感じる人も多いでしょう。そこで、今回は契約社員から正社員に切り替える方法として注目されている「正社員登用制度」を詳しく解説します。

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正社員と契約社員の給与・待遇の差

正社員と契約社員とでは、雇用形態や福利厚生、給与などが大きく異なります。
 
国税庁が公表する「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、正社員と契約社員を含めた正社員以外の平均給与は、正社員が530万円であるのに対し、正社員以外の平均給与は202万円であると分かりました。つまり、330万円近くの差が生じていることになります。
 
雇用形態を比較すると、契約社員は雇用期間が定められているのに対し、正社員は無期雇用を前提として採用されているのが特徴です。
 
また、契約社員には時給や日給制を採用しているケースも多い反面、正社員には基本給が定められており、昇給制度や賞与制度を設けている企業も少なくありません。さらに福利厚生は、契約社員と正社員との間で差がない企業も多いものの、正社員の方が充実している傾向があります。
 

契約社員から正社員になれる?

契約社員と正社員では、さまざまな待遇の差があるため、正社員の立場を目指している人も多いでしょう。ここでは、契約社員から正社員に切り替える方法を紹介します。
 

正社員登用制度を活用する

「正社員登用制度」とは、パートやアルバイト、契約社員をはじめとした非正規雇用で働く従業員を対象に、正規雇用である正社員として登用する制度です。正社員登用制度は法的な定めがないため、企業によってさまざまな基準やルールが採用されています。
 
一般的な基準としては、一定期間勤務し続けていること、勤務態度や業績が良好であること、上司からの推薦を受けていること、そして登用試験に合格することなどが挙げられます。
 
また、契約社員本人が希望していない場合でも、会社側から正社員への切り替えを打診されるケースもあるようです。厚生労働省が発表する「正社員登用制度の導入状況」によると、正社員転換制度を導入している企業は、全体の46.5%、制度のない企業は50.4%であると分かります。
 
正社員への登用を希望する人は、登用制度を導入している企業であるか確認しましょう。その上で、正社員になれる条件や実績をみて、基準をクリアしているか否かをチェックしてください。
 

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