前述のとおり、定期券以外の交通系ICカードは振替輸送の対象外です。ただし、振替輸送の対象外というだけで、「乗っていた電車が止まっても別の電車にまったく乗れない」というわけではありません。
 
交通系ICカードで乗車した電車が運行不能になり、他の電車に乗る場合は、実際に乗車する区間の運賃を支払えば他の路線も利用できます。交通系ICカードは「振替輸送」の対象にはならないため、実費負担で他経路を利用してう回するようにしましょう。
 

「交通系ICカード」で乗車し「振替輸送」の対象外となった場合のコスト

交通系ICカードで乗車した電車が何らかの理由で運行不能となった場合、「振替輸送」の対象にはなりません。他の経路に乗り換える場合、運賃は自己負担になりますが、いくらくらいコストに差が生じるのでしょうか。
 
例えば、神奈川県・埼玉県・千葉県から東京方面に移動する際に人身事故が発生し、う回した場合の差額について調べてみると、表1のような結果となりました。なお、価格はすべてIC運賃です。
 
表1

経路 通常ルート例 う回ルート例 差額
横浜駅~品川駅 JR東海道本線:303円 京急本線:313円 10円
川越駅~池袋駅 東武東上線:481円 JR埼京線:682円 201円
千葉駅~東京駅 JR総武線:659円 千葉モノレール・JR京葉線:858円 199円

※筆者作成(2025年1月現在)
 

まとめ

今回は「振替輸送」の概要や「振替輸送」の対象外となった場合の対処法を解説しました。定期券以外の「交通系ICカード」を利用した場合は、「振替輸送」の対象外となるため、う回した区間分の運賃が発生します。いざというときは、追加の運賃も頭に入れて、う回を検討しましょう。
 

出典

東日本旅客鉄道株式会社
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー