サイゼリヤは2024年11月に愛媛県、12月に大分県に県内初出店を果たしました。オープン初日の大行列の様子は地元メディアで注目され、そこから聞こえてくる声には待望感と喜びがあふれていました。

 ちなみにサイゼリヤがまだ進出していない都道府県は、高知県、長崎県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県の5県。少数店舗のエリアも含めると、サイゼが待望・歓迎される余地はまだまだ健在で、国内における成長はおおいに期待できるのです。

◆不満は「サイゼファン」から発せられている

粉チーズをかけたミラノ風ドリア
かけ放題だった粉チーズは有料に。サイゼではできないことが増えています
 これを裏返せば、不満の正体が浮かび上がってくるでしょう。

 不満の多くは言いがかりやアンチではなく、これまでのサイゼの魅力を十分味わってきた人々によって発せられる素直な落胆である可能性が高いということ。

 価格維持で得られる安心感は来店動機にはなるものの、実際の満足度は食事内容で決まるのです。例えば、これまでかけ放題だった粉チーズは有料になり、ピザのWチーズは廃止に。サイゼを長く愛してきた顧客からすれば、ファン心を裏切られたという率直な気持ちが不満投稿として広がっているだけのこと。

イカ墨パスタ
2024年2月のメニュー過程で色が薄くなり注目を集めたイカ墨パスタ
 このように、これまでの愛情が嫌悪に変わってしまうような危機は、今後もメニュー改定のたびに訪れることでしょう。

◆スーパーやコンビニの冷凍食品・総菜の実力が上がっている

ファミリーマートの商品
ファミリーマートではこだわり食材を使ったグラタン、名店監修のパスタやスイーツが登場している
 そしてもう一つ、今後さらに増えてくる可能性のある不満があります。それは、大手スーパーマーケットやコンビニにおける飛躍的な商品力向上から生まれるもの。

 例えばコンビニの冷凍食品を見てみましょう。価格帯は200円台~500円台までの商品が多く、こだわりの国産食材を使用したり、有名レストラン監修の商品は珍しくありません。