前項での計算結果のように、たしかに使用時(家族が日中にいる時間)のみ便座の暖房をオンにする方が、年間では約1175円、1日あたりでは約3円の節約になるようです。この価格差をどう捉えるかは各家庭の経済状況や節電意識により異なりますが、便座の暖房をオフにするメリットはさほど大きくないのではないでしょうか。
まず、便座の暖房は効くまでに多少時間がかかります。タイマー機能がない場合、前もって便座の暖房だけオンにして、再度トイレに入ることになるでしょうか。または、日々家に最初に帰ってくる人が便座の暖房をオンにするのでしょうか。
どちらにしても、作業工程が増えるとともに家庭内の無用なトラブルの種になるかもしれません。
節電方法の例
本記事では外出時に便座暖房をオフする場合について触れてきましたが、他にも節電方法はあります。夏場のみ暖房機能を切っておくことで作業工数を極端に少なく節電できますし、便座の設定温度自体を低くする方法もあります。
前述した『省エネ性能カタログ2023』によると、設定温度を「中から弱」に1段階下げると年間で約710円の節約効果があるようです。
まとめ
本記事では、便座の暖房機能は使用時以外オフにすると、どれほど節約につながるのかを確認しました。電気代の節約効果に値するだけのメリットがあるのか、ぜひ検討してみてください。また、便座暖房のオンオフについては家族の意見を尊重して方針を決めるのが大事ですね。
出典
経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2023」
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート
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