「堺主演で一大旋風を巻き起こした『半沢直樹』シリーズの福澤克雄氏が原作・演出を手掛ける大作で、モンゴルで2カ月半に及ぶ大規模ロケも敢行。ハリウッド俳優だけでなく、モンゴル出身の俳優や、幼少期からハワイと行き来して育ち英語がネイティブの古屋呂敏らも起用されており、インターナショナルな内容となりそうですが、ストーリーや俳優たちの役柄については初回放送まで一切明かさないという徹底的な“秘密主義”で注目を集めています。予告映像では広大な砂漠地帯をラクダに乗って歩く姿などが映され、視聴者からは『次のドラマは砂漠!?』『スケールが想像以上だった』『もはや映画レベル』と驚きの声が上がりました」(テレビ誌記者)

 今夏最大の話題作となるのは間違いなさそうだが、芸能記者は「それでも懸念点は多い」と言って、こう指摘する。

「事前に与える情報を限定する手法はプロモーション戦略として以前からありますが、特に最近は『シン・ゴジラ』や『THE FIRST SLAM DUNK』が事前の宣伝はほぼ皆無ながら大ヒット。7月14日公開の宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』も同様で、いまだに関係者にすら一切の情報が入ってきません。これらに共通しているのは“庵野秀明監督によるゴジラ映画”、“原作者によるスラムダンクの映画化”、“宮崎駿監督によるジブリ最新作”といったIPの強さ。TBSも、堺主演×福沢監督のオリジナル新作ということで思い切った手に出たのでしょう。ドラマをやっていること自体が知られなければ元も子もないと思いますが、『日曜劇場』の看板の強さもあるため、キャストの豪華ささえ伝わっていれば初回は成功するのでは。

 また、テレビ界では以前から番宣効果に疑問符がつけられており、バラエティなどへの出演を嫌がる俳優が増えています。その筆頭が堺といわれており、おそらくは出演条件に『番宣稼働NG』があったはず。そこで、いっそのこと事前情報を出さないという実験を試みることにしたのではないでしょうか」