最後に、旬のブレイク芸人を生み出している『ラヴィット!』と『水曜日のダウンタウン』の特色について田辺氏に見解を聞いた。
「あくまで私の考えですが、『ラヴィット!』は芸人の長所を伸ばすバラエティ番組だと思います。キャツミさんの『独学ピアノ演奏』なんかはそうですよね。あと賛否両論ある元和牛の水田信二さんの『きびしんじクッキング』もそうではないでしょうか。
逆に『水曜日のダウンタウン』は芸人の弱みや短所を伸ばす番組。たとえば、きしたかのの高野正成さんがやたら人情にもろい部分とか、そういう部分を引き出して、どんどん見せていく。ドッキリ企画が多いですけど、そういうときにどれだけ『弱い』か、もしくは『ブチギレられる』かという点が重要になります。
『ラヴィット!』は芸人の特技を披露する場であるのに対し、『水ダウ』は芸をさせずに人間性を引き出すのだと思います。ですから、活きがいい若手が出てきたらまず『ラヴィット!』で売り出し、またちょっと違う味わいを必要としたときに『水ダウ』に出られたらベストな気がしますね」
(文=佐藤勇馬)
協力=田辺ユウキ
大阪を拠点に芸能ライターとして活動。映画、アイドル、テレビ、お笑いなど地上から地下まで幅広く考察。