同じく「上半期圏外」から躍進したのが、ランキング5位に入ったピン芸人・ひょうろくだ。『水曜日のダウンタウン』やさらば青春の光のYouTubeチャンネルへの出演をきっかけに注目され、若者世代を中心に支持が急上昇した。
「ひょうろくさんのすごさは奇人感、サイケデリック感だと思います。自身のYouTubeチャンネル『もち、ひょうろく』での名曲カバー動画はまさに彼のサイケなセンスが光っています。あと『怯え』というリアクションを武器にできたのがブレイクの大きな要因ではないでしょうか。
テレビ的なリアクションは『派手さ』『大袈裟さ』が求められますが、それは時として『作り物感』が出てしまいます。その点、彼をブレイクへと導いた『水曜日のダウンタウン』の臓器売買ドッキリでの『怯え』は、とてもリアルで素朴なもの。だからこそ、ひょうろくさんの『怯え』が視聴者に響いたのではないでしょうか」(同)
上半期と同じ6位をキープしたピン芸人・みなみかわは、『ラヴィット!』『水曜日のダウンタウン』の両番組への出演を重ねたことで安定した人気を獲得した。
「みなみかわさんはコンビ『ピーマンズスタンダード』の時代からめちゃくちゃ面白かったですし、『あらびき団』(TBS系)でよくやっていた『アイヒマンスタンダード』のネタも抜群でした。ピンになってからは、どのポジションでもこなせる『立ち回りのうまさ』が引っ張りだこの理由だと思います。もともと痛みを感じないという武術『システマ』の使い手として知られるようになりましたが、その『システマ』もバラエティ的に汎用性が高いものでした。
あと、キンタロー。さんが松竹芸能を退所した際に『円満退所って存在しない』とコメントしながら、そのあと自分も松竹を退所し、その言葉がちゃんとブーメランになった。推察ですが、そうなるように計算していたと思われます。立ち回りがうまいから伏線もいろいろ張れるし、そうなると回収係として番組に1度のみならず、2度、3度と呼ばれることになる。その『立ち回りのうまさ』が、ブレイクのきっかけになった気がします」(同)