長期保存用だから3年や5年も持つものが多いのですが、気がつけば期限切れになってしまうことも多くて。『備蓄した食品は放置せずに、定期的に管理する』のが鉄則とわかっていても、つい忘れてしまって『半年も賞味期限が過ぎてるじゃん!』ということもしばしば」

 そこで編み出されたのが、“帰省のときに消費しちゃおう”作戦。

「これが意外にも、子どもたちに大ウケだったんですよ。断熱用段ボールにカレーとパックご飯を入れ、セットの発熱剤と発熱容器を入れるだけで車内で熱々のカレーライスが食べられるなど、非常食の進化ぶりはすさまじくて。子どもたちにとっては“非日常感”が楽しかったようで、『キャンプみたい!』『理科の実験みたいでおもしろい』と大好評でした」

◆狭い車内での“非日常感ある食事”が最高のエンタメに

 非常食のバリエーションは、ほかにもかなり豊富だそうです。

「夫がハマったのは、混ぜるだけとお手軽な“おこげぜんざい”。これも長期保存が可能なのに、おこげがサクサクでやみつきになります。あとは、保存用に厚焼き仕様になっている缶入りの『たべっ子どうぶつ』や、牛すじやダイコンがゴロっと入った備蓄用のおでん缶もおいしかったな」

 賞味期限が切れた非常食は、今までは捨ててしまうだけだったという高橋さん一家。フードロスも散財も防げるようになったうえ、食事をきっかけに「もし災害に遭ったらみんなでどう動こうか」と、非常時に備えた話し合いまで自然とできるようになったとか。

「家にいても同じことはできますが、帰省中のサービスエリアの車内という、非日常のシチュエーションがワクワク感をより刺激しているようです。

 私のお気に入りは、常温で長期保存できる紙パックのお豆腐。夫が食べ終わったおでん缶をお皿代わりにしつつ、別途持ち込んだミニ醤油をたらして、車中で冷ややっこを食べるのが好きなんです。

 いつもと違う場所で食べるからか、子どもたちだけじゃなく大人の私も普段よりおいしく感じちゃいます」