まず老齢基礎年金ですが、こちらは加入月数(年金納付月数)で決まります。満額の場合は月額6万8000円、年額では81万6000円ですが、未納や免除期間があると減額となります。ただ、ご相談者の場合、40代後半ということで受給者となるのはかなり先ですから、その時の国の経済状況によっても左右されることは認識しておきましょう。
一方、老齢厚生年金は、厚生年金の加入月数のほかに「生涯平均年収」が絡んできますので、人によって異なります。先ほどの例では概算として、一般的にいわれている生涯賃金を40年で割って求めましたがこれは仮定です。
実際には、転職をしたり昇進や配置転換があったりして、年収が想定からずれる場合があります。「ねんきんネット」に登録して日本年金機構のホームページからログインすると、毎年の誕生日ごろに更新される情報でより自分の試算額に近い概算がわかります。
勤務先で企業年金に加入している場合はプラスアルファ
そのほかに、勤務先経由で確定拠出企業年金に加入している場合には、この運用益がプラスアルファとして上乗せされます。こちらも定期的に状況確認しておくといいでしょう。
老後資金対策について
この概算額を多いととらえるか、不十分ととらえるかは個人の価値観によって異なりますが、安心した老後生活を送るために蓄えておきたい場合には、以下の方法の中から、無理なく実践できそうなものを検討するとよいでしょう。
1.勤務を継続する
たとえ年収がダウンしても、再雇用や再就職制度を利用して、収入を得るという方法をとっている人も多く見かけるようになりました。生活費や介護が必要になった時のための貯蓄を厚くしておくができますし、勤務を継続することで、次に述べる年金の受け取り開始時期を遅らせれば、将来受け取る年金額を増やすことができます。
2.年金の繰下げ受給をする
年金の受取りは原則65歳からですが、66歳以降に遅らせる「繰下げ受給」を検討することもいいでしょう。1ヶ月受け取りを遅らせることで年金額は0.7%増額。75歳まで繰り下げることで最大で84%(0.7%×12ヶ月×10)年金額が増える計算になります。
以上を踏まえ、ご自身の考えや状況に合った方法を検討しましょう。