「住む場所」によって年金額が変わることなんてあるのでしょうか? 引っ越し予定の両親が「増えるらしいよ」と言っていますが本当でしょうか?
「『住む場所』によって年金額が変わる」ということを聞いたことがあるでしょうか? これを聞いて「そんなことがあるの?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。これが本当であるならば、年金を受け取っている方が引っ越しをした場合、住む場所によって年金が増えたり減ったりするということになります。   本記事では、「『住む場所』によって年金が変わることはあるのか?」「『住む場所』によって国民健康保険料・介護保険料・住民税はどのように違うのか?」について解説します。なお、本記事では、年金を受け取る方の年齢が65歳以上であることを前提として解説しますので、あらかじめご了承ください。

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「住む場所」によって年金が変わることはあるのか?

「『住む場所』によって年金額が変わる」かどうかを検証するに当たり、まず確認しなければならないのは「年金額が変わる」とはどういうことなのかということです。
 
まず、年金支給額は全国一律なので、住む場所によって変わるということはありません。ということは、「年金額が変わる」とは「年金の手取り額が変わる」ということだと考えられます。
 
年金の手取り額は、以下の計算式によって算出します。
 
手取り額 = 年金支給額 -(社会保険料 + 税金)
 
この場合の「社会保険料」とは国民健康保険料と介護保険料のことであり、「税金」とは所得税と住民税のことです。
 
この計算式から考えられることは、住む場所によって国民健康保険料・介護保険料・所得税・住民税のいずれかが変わるため、年金の手取り額が変わるということです。
 
国民健康保険料・介護保険料・所得税・住民税のうち所得税については、国税であるため、住む場所によって変わるということはありません。一方、国民健康保険料・介護保険料・住民税については、市区町村ごとに決められるため、住む場所によって変わることがあります。
 
このことから、住む場所によって国民健康保険料・介護保険料・住民税が異なるため、年金の手取り額が変わるということは「ある」といえます。
 

「住む場所」によって国民健康保険料・介護保険料・住民税はどのように違うのか?