当時、茶太郎くんは手のひらサイズほど。まさか、こんなにも小さな猫が1週間も前から鳴いていたなんて……と、飼い主さんは胸を痛めました。
それまで猫と暮らした経験はなかったものの、放っておけないと感じた飼い主さんは小さな器に入れたねこまんまを玄関前へ。その後は時々、玄関を開け、茶太郎くんがご飯を食べているのかをチェックしていましたが、時間が経てばほかの場所へ行くだろうと思っていたそう。
◆“犬派”だった自分が猫を迎える日が来るなんて!
ところが、翌朝になっても茶太郎くんは玄関の隅にいるまま。庭のウッドデッキに乗って母猫を探すような声を上げながら、飼い主さん宅から離れる様子はありませんでした。
近所に聞き込みをすると、「4匹の子猫を産んだ母猫の姿を最近見なくなったので、置いて行かれたのかも」という証言が……。そこで、飼い主さんは同居中の彼と話し合い、ひとまず動物病院へ連れて行くことにしました。
当時、茶太郎くんの顔には点々とした黒い汚れがあり、目はグチョグショ。動物病院では猫風邪を患っていると言われ、点眼薬や点鼻薬を処方されました。
「ノミ・ダニ予防薬の塗布もしてもらいました。お風呂に入れてあげてと言われたものの、入れ方がわからないと伝えたら、病院で体を洗ってもらえました」
シャンプー後、茶太郎くんは顔にあった黒い汚れが取れ、毛色もツヤツヤに。見違えるほどの姿に飼い主さんは、「あなたこんなにかわいかったのね~!」と胸キュン。
加えて、獣医から「飼いやすい子」とのお墨付きをもらったこともあり、茶太郎くんを家族として迎え入れることにしました。
「犬派だった自分が、まさか猫を飼うなんて信じられませんでした。
猫とまともに触れ合ったことがなく、知識もなければマイナスな先入観を持っていました。そのため、ケージを組み立てながら『勢いでお迎えして本当によかったのだろうか』と思っていました」